「極限からの一手」コーナーでは筆者の独断と偏見に基づき、全合成における優れた問題解決とその発想を紹介してみたいと思います。困難に直面した全合成化学者がいかにして創造的発想からの解決に至ったか、それを追体験できるようなクイズ形式にしています。
第9回は、Andreas Pfaltzおよび鈴木啓介らによるMacrocidin Aの全合成(2010)を紹介したいと思います。(過去の問題一覧はこちら)
合成終盤の鍵となるDieckmann環化においては、素直な基質設計からはまったく反応が進行しなかった。しかしながら、p-アジドベンジル(PAB)基でアミド窒素を保護することにより、環化に成功している。PAB基の果たす役割を説明せよ。また、汎用される類似構造保護基(ベンジル基やp-メトキシベンジル基)で不都合が生じる理由についても考察せよ。
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