[スポンサーリンク]

元素の基本と仕組み

元素紀行

[スポンサーリンク]

先日、こんな記事を読みました。内容を一言で申せば、筆者の前川ヤスタカさんご自身の著書タイトルである「勉強できる子 卑屈化社会」という現象を問題視する内容です。

[amazonjs asin=”4800259436″ locale=”JP” title=”勉強できる子 卑屈化社会”]

この記事の捉え方は学歴や世代によって様々であろうと私は思っています。しかし、客観的に見て高学歴である30代後半の私の個人的な感想を敢えて申せば、まったくもって著者の前川ヤスタカさんが主張されていることに同意いたします。

私自身もかつては学歴ゆえに少し肩身の狭い思いをしたような気もしますが、大きな問題はそこではなくて、日本社会では、例えば野球エリートが冷笑的に扱われることなどないのに、なぜ学歴エリートは冷笑的に扱われることがあるのだろう?と言う点です。これは言うなれば「スポーツ>学問」というような「価値差別」ではないか?と。。。救いは、以前よりもこのような風潮は弱まっていると(少なくとも私は)感じることです。

確かな理由はわかりませんが、ソーシャルメディアの普及による価値観の多様化や、日本人ノーベル賞受賞者が増えてきた(「日本人」と付けなければならないところが、もどかしいわけですが、それは別の機会に)ために、スポーツや芸術よりも低かった(と少なくとも私が感じている)学問の「地位」が相対的に高まったがことが理由だったりするんでしょうか。

まあともかく、何事も冷笑的に扱うこと無く、特に子供たちには、サッカーができたら「すごい!」、ピアノができたら「すごい!」、化学のお勉強ができたら「すごい!」と接してあげたいものですね。自戒も込めて。

さて、本題。学問の地位向上などと上述しましたが、これと似て非なるものとして、学問のフレンドリー化というものがあると思います。

クイズのテレビ番組などはその典型でしょうか。

そんな流れの末端ではありますが、化学にフォーカスを当てた楽曲がありますので紹介できればと。演奏しているのは、その名も「相対性理論」、活動歴も長いようですのでご存知の方も多いと思います。そして、今回紹介するこのサイトにふさわしい楽曲が表題の「元素紀行」。ちなみに、この曲は「シフォン主義」というアルバムに収録されています。

グループ名が物理学で、曲名は化学、アルバムタイトルは経済学と手広く学問をやっておられますね(笑)。当世流に言えば「ヘタカワ」なヴォーカル、そして、頭に残るリフとか、私は好きです、彼らの音楽。試しに「元素紀行」を聴いてみてください。

「元素紀行」というタイトルですが、出だしの歌詞は

酸素 水素 二酸化炭素

となります。ん?。。。そして2番の歌詞の始めも

塩素 窒素 過酸化水素

やっぱり。。。そう、このサイトの閲覧者の多くは二酸化炭素と聴いた瞬間、「分子じゃん?」とツッコんだのではないでしょうか?ついでに申せば「元素」でなく「分子」なら、キコウの部分もダブルミーニングにできるのに、、、と、私はお節介を焼きたくなりました。いえ、断じて冷笑的になるつもりはありません。お勉強もちょっとできると、話題もふっと展開し、世の中ももっと楽しくなるかも、ってことです。

今回はこんなところで。普段は頭の中で分子機構を巡らせている化学者のみなさまも、たまにはその身を音楽紀行に委ねてみてはいかがでしょう?化学な音楽、もっとご存知でしたら、教えてくださると嬉しいです。

[amazonjs asin=”B0015DMO14″ locale=”JP” title=”シフォン主義”]

ちなみに執筆中に知ったのですが、ニホニウム記念で同名の著作も最近出ているようですが、これは余談。

[amazonjs asin=”4274506436″ locale=”JP” title=”元素紀行”]
Avatar photo

Arlequin

投稿者の記事一覧

化学は生物の文法である。と、勇んで始めた発酵研究。文法だけでは物語は書けないのであった。。。昔も含めてその他研究分野は、医薬化学、糖鎖化学、酵素化学、夏目漱石。良き物語を書きたいものです。

関連記事

  1. キノリンをLED光でホップさせてインドールに
  2. 向山アルドール反応40周年記念シンポジウムに参加してきました
  3. 化学のちからで抗体医薬を武装する
  4. ボリルメタン~メタンの触媒的ホウ素化反応
  5. 対称性に着目したモデルに基づいてナノ物質の周期律を発見
  6. 2016 SciFinder Future Leadersプログ…
  7. 2残基ずつペプチド鎖を伸長できる超高速マイクロフロー合成法を開発…
  8. Carl Boschの人生 その5

注目情報

ピックアップ記事

  1. 化学者が麻薬を合成する?:Breaking Bad
  2. アスパルテーム /aspartame
  3. 第一手はこれだ!:古典的反応から最新反応まで3 |第8回「有機合成実験テクニック」(リケラボコラボレーション)
  4. コーリー・キム酸化 Corey-Kim Oxidation
  5. 二フッ化酸素 (oxygen difluoride)
  6. 元素の和名わかりますか?
  7. 企業の研究開発のつらさ
  8. Google翻訳の精度が飛躍的に向上!~その活用法を考える~
  9. 再転職の成功へ: 30代女性研究者が転職ミスマッチを克服した秘訣
  10. ポンコツ博士の海外奮闘録XIX ~博士,日本を堪能する①~

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年3月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

2024年の化学企業グローバル・トップ50

グローバル・トップ50をケムステニュースで取り上げるのは定番になっておりましたが、今年は忙しくて発表…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP