2017年も始まりましたね。現在1月、もうすぐ3月。そうです、就職活動の時期がやってきます。
私は現在博士課程1年の大学院生で、修士1年次は新卒就職活動の開始が3月へと移行した始めの年でした。
私もそのときには当然就職活動を行うか行わないか考える時期がありました。もう2年前とは恐ろしい・・・有機合成化学協会の主催で行われた、「企業で働く研究者の方にお話が聞ける、迷っている人にはちょうど良いイベント」(リンクは当時のものですが、それ以降毎年開催されています)にも参加しました。
このウェブサイトは沢山の大学生・大学院生がご覧になっていると思います。結果として私は進学を選んだため、実際に就職活動は行っていません。しかしながら今回は、私が修士1年次の就職活動を視野に入れながらも、進学を選んだからこそ見えたものをお伝えしたいと思います。先に述べておきますが、本記事は主観が多く含まれており、不快に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご了承ください。
就職か進学かを選択する前に考えていたこと、準備していたこと
筆者は当初、学費の面や両親からの圧力もあり、博士課程への「進学」ではなく修士課程修了後「就職」することを考えておりました。
しかしながら、自分としては進学を望む気持ちがありました。研究で成果を出して認められているなら親も納得するかもしれない、給付型の奨学金(参考:こちらまたはこちら)を受けられるかもしれないと考え、修士課程では、双方に進んでもよいような生活をしていました。
結局は学費問題が親との相談で解決したため進学を決意しましたが、私が行っていた双方の進路に対する事前準備をそれぞれ示します。学部生~修士1年の間、就職活動が始まる前に行ってきたことです。
就職活動のために行っていたこと
- 企業就職者の先輩からその企業のお話を聞く、また競合他社のお話を聞く
- 就活経験者の現役学生の先輩からネームバリューの高い企業、世間からは知られていないけど先輩が感じる優良企業などを聞く
- 上記2つによって知り得た会社および四季報に記載されている気になる会社の企業情報を調べる(その際見ていた点は以下の3点)
1. コンプライアンス(明らかに自分と合わないかどうか)
2. 主力商品
3. 株主に向けての情報 - 実験においては技術面を意識して、行っておいたほうが良いネガティブデータ取りは先回しにせず必ず行うようにした
- SPIやウェブテストの試験対策(正直これが一番苦手でした)
電車通学の行き帰りや休日など、時間があるときに研究に関する勉強とは別に、このようなことを調べていました。
博士課程に進学するために行っていたこと
- とにもかくにも実験
- 学会に参加した際は、ポスター発表などで積極的にディスカッション
- 交流を深めて研究界での知り合いを増やす(ケムステスタッフになる以前にイブニングミキサーでも友人を作りました)
- 論文をたくさん読むとともに勉強を欠かさない
- 研究室における機器メンテナンスは、先輩や業者が行っていれば積極的に関わり覚える
- 他の人の研究であっても自分の研究のように思考を巡らせ、ディスカッションをする
企業への就職活動と大学での研究継続の双方を諦められなかったので、時期がずれようとなんだろうと、就職活動しようと思えばいつでもできるように保険をかけていました。一方で、機器メンテナンスなどのラボ雑用を担うことも多く、自分のことだけに時間を割けませんでした。そこは休日実験したりで埋めあわせしていました(今考えればそこまでしなくても就活はできましたが、焦りが大きかったのです)。
ですので、絶対就職活動しかない!って方が博士進学した学生に抱きがちな”幻想”である、
「どうせこの人は元々博士課程にいくつもりだったからそう言うのだろう」
「就職活動しない人にはわからない」
は当てはまらないと思います。誰しもスタート地点は同じであり、そのための準備を自分がしてきたかどうかです。準備をせずに就活を迎えてしまった人が苦しんでいるのを見て、予めしっかりしてれば・・・と思ったこともあります。
進路選択は自分のもの、都合の良い話はない
就職活動後の修士2年の学生が悟ったかのように就職活動全体を語っているのを見たこともあります。本人にしかわからないことは、あくまで体験談(どんなことを面接で聞かれたかなど。これも採用担当の方や年によって変わるとは思いますが)でしかありません。当てにしすぎない方がよいと思います(もちろん参考にするのはよいですが、色眼鏡で見た情報と思った方がよいです)。
私が進学を選択する際には、博士課程という職業に就職するつもりで進学しました。日本では博士課程に給与が出なかったり、修士の延長程度に見えてしまったり、制度的に様々な課題を抱えてもいますが、実際に担う責務は想像以上です(自分も進学後、大変さを実感し苦難の真っ只中です笑)。
就活準備優先で研究ペースが落ちる人たちのことを悪く思うことは私個人はないのですが、
「就活は一生懸命やるから自分は雑用もやらないし、就活する人にしない人は合わせるべきだ」
「人生かかっているんだ」
研究をおろそかにしつつこういう意見を主張する姿勢は、自分に都合良い考えの押しつけに過ぎません。長い目で見れば教員を含め、研究室全員が人生かかっているわけですから。そういった人たちがおろそかにしている分だけ、他の人たちが迷惑を被る場合もあるということです。
少し脱線しかけましたが、就職活動をすることを視野に入れながらもしなかった身だからこそお伝えしたかったことは
- 自分の進路は自分のための道、他人の言葉に惑わされたりせず、事前準備を怠らない!
- 隙間時間を有効活用!時間を無駄にせず自分の将来のために費やそう!
ということです。
この記事を読んでいるこれから就職活動!または進学!って方はまだ間に合います!研究に勤しみながら是非事前準備を進めて下さい!