[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

whileの使い方

[スポンサーリンク]

接続詞「while*」には2種類の意味がありますので、誤解を避けるために注意が必要です。

「while」が接続詞として用いられる場合は、「同時性」もしくは「対照性・対立」を表します。文章の内容によっていずれの意味で使われているかが明らかな場合も多いのですが、以下の文が示すようにそうではない場合もあります。

The temperature decreased while the growth rate increased.

この文章は、「温度が下がったと同時に成長速度が上がった」という意味と、「温度が下がったのに対して、成長速度が上がった」という意味との2通りに解釈できます。

正確には、後者の解釈が正しい場合には「decreased」と「while」の間にコンマが必要ですが、いずれにしてもこのままでは解釈が定まりません。上の文の意図を明確に表すためには以下のいずれかの例文のように書き直すべきです。

同時性:

(1) The temperature decreased as the growth rate increased.

(2) The temperature decreased, and simultaneously, the growth rate increased.

(3) As simultaneous phenomena, the temperature decreased and the growth rate increased.

対照性:

(4) Although the temperature decreased, the growth rate increased.

(5) The temperature decreased, though the growth rate increased.

(6) The temperature decreased, but the growth rate increased.

(7) Whereas the temperature decreased, the growth rate increased.

(8) The temperature decreased, whereas the growth rate increased.

(9) Despite the fact that the temperature decreased, the growth rate increased. 

*「while」は接続詞以外にもいくつかの品詞として使用でき、それぞれの品詞において特有の意味を持ちます。

出典元:エナゴ学術英語アカデミー

化学論文での「while」の利用例

While progress in this area has been rapid, the realisation of complementary processes that exploit the activation of C–C bonds, which are also found in almost all organic molecules, has proven more challenging. 引用: 10.1039/c6cc04359c

Modern methods, while capable of introducing 18F-fluoride into a more diverse range of structures, often suffer from the need for complex starting materials, operating or purification procedures. 引用:10.1038/nature17667

However, while this idea is simply stated, such Diels–Alder reactions are rare, often needing multi-step or mechanistically distinct solutions such as double Michael additions. 引用:10.1002/anie.201500925

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4789016277″ locale=”JP” title=”英文校正会社が教える 英語論文のミス100″]

%e8%8b%b1%e6%96%87%e6%a0%a1%e6%ad%a3%e3%82%a8%e3%83%8a%e3%82%b4

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. カルボン酸に気をつけろ! グルクロン酸抱合の驚異
  2. 生体内での細胞選択的治療を可能とする糖鎖付加人工金属酵素
  3. 蒸発面の傾きで固体膜のできかたが変わる-分散液乾燥による固体膜成…
  4. 【技術系スタートアップ合同フォーラムのお知らせ】 ディープテック…
  5. Pdナノ粒子触媒による1,3-ジエン化合物の酸化的アミノ化反応の…
  6. 来年は世界化学年:2011年は”化学の年”…
  7. 分取薄層クロマトグラフィー PTLC (Preparative …
  8. 人工プレゼン動画をつくってみた

注目情報

ピックアップ記事

  1. ファイトスルフォカイン (phytosulfokine)
  2. マテリアルズ・インフォマティクスにおける初期データ戦略 -新規テーマでの対応方法をご紹介-
  3. 定量PCR(qPCR ; quantitative PCR)、リアルタイムPCR
  4. 有機ELディスプレイ材料市場について調査結果を発表
  5. ケムステニュース 化学企業のグローバル・トップ50が発表【2020年版】
  6. 治療応用を目指した生体適合型金属触媒:② 細胞外基質・金属錯体を標的とする戦略
  7. 持続可能な社会を支えるゴム・エラストマー:新素材・自己修復・強靱化と最先端評価技術
  8. センター試験を解いてみた
  9. 第139回―「超高速レーザを用いる光化学機構の解明」Greg Scholes教授
  10. 【2/28・29開催ウェビナー】粒子分散がわかる2DAYS(三洋貿易株式会社)

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年1月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

植物由来アルカロイドライブラリーから新たな不斉有機触媒の発見

第632回のスポットライトリサーチは、千葉大学大学院医学薬学府(中分子化学研究室)博士課程後期3年の…

MEDCHEM NEWS 33-4 号「創薬人育成事業の活動報告」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化する化学」を開催します!

第49回ケムステVシンポの会告を致します。2年前(32回)・昨年(41回)に引き続き、今年も…

【日産化学】新卒採用情報(2026卒)

―研究で未来を創る。こんな世界にしたいと理想の姿を描き、実現のために必要なものをうみだす。…

硫黄と別れてもリンカーが束縛する!曲がったπ共役分子の構築

紫外光による脱硫反応を利用することで、本来は平面であるはずのペリレンビスイミド骨格を歪ませることに成…

有機合成化学協会誌2024年11月号:英文特集号

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年11月号がオンライン公開されています。…

小型でも妥協なし!幅広い化合物をサチレーションフリーのELSDで検出

UV吸収のない化合物を精製する際、一定量でフラクションをすべて収集し、TLCで呈色試…

第48回ケムステVシンポ「ペプチド創薬のフロントランナーズ」を開催します!

いよいよ本年もあと僅かとなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。冬…

3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール–アルキル化反応

アルケンの位置選択的なアリール–アルキル化反応が報告された。ラジカルソーティングを用いた三種類のラジ…

【日産化学 26卒/Zoomウェビナー配信!】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 キャリアマッチングLIVE

3日間で10領域の研究職社員がプレゼンテーション!日産化学の全研究領域を公開する、研…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP