[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

外国人研究者あるある

[スポンサーリンク]

多くの研究室では一人は必ずいる外国人研究者、優秀な研究者が多くとても重宝されています。そんな彼のあるあるをまとめてみました。

外国人研究者とは

外国人研究者は、留学生やポスドクとして日本で研究活動を行っている場合が多く、JSPSの外国人特別研究員の制度や博士課程の留学生試験などが有名です。また、日本の大学の教授や会社の正社員として働いている方もいらっしゃいます。国籍も様々でアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど様々な国から来日しています。

外国人研究者あるある

私の経験や、知り合いから聞いたことをまとめてみました。すべての外国人研究者に当てはまるわけではなく、決して差別しているわけではありません。

  • 日本語の上達が早い

日本語のレッスンを受けているわけでもないのに、日本語の上達がとても速いです。日本人の恋人がいるとなおさらです。同じ漢字を使う、中国と台湾の方が最も速く、分の構成と単語が似ている韓国の方も早いです。もちろん欧米の方も会話の上達が速いです。日本人も彼らを見習って英語を勉強しなくてはならないと思います。

  • プレゼンが上手い

英語のネイティブだけでなく多くの研究者が英語のプレゼンが上手です。スライドもきれいにまとめられていてとても流暢に発表しています。ただしすべて自分の仕事でないところも自分の仕事のように説明する場合があり、論文の著者の順番の確認などで信頼性を確認する必要があります。

  • 実験の手が早い

実験のスピードがとても速く、データを量産できる人が多いです。使える器具は、ふんだんに使って実験を進めるので要領が良いといえます。

  • 器具の扱い・実験のやり方が雑

一方で器具の取り扱いが雑な場合もあり、よくガラス器具を壊している人を見かけます。また、器具のメンテナンスをあまりやらないようで、オイルポンプのオイルを数年間変えないそうです。単純に自分の作業場が汚い人も多いです。

  • 雑用を進んでやらない

自分の実験は進んで行いますが、雑用はなかなかやってくれない人が多いです。キムワイプが空になっていても補充してくれません。細かいサポート仕事は、進んでやるべきと習われている日本人にとっては耐えられな場合が多く文化の違いの象徴的な事だと私は思います。解決策としては、細かく分担仕事にしたりすることがあげられます。

  • 実験ノートが読めない

ローマ字を使う彼らにとって、筆記体のようなブロック体のような彼らの文字はなかなか読めません。私は、読めないので他の外国人に何と書いてあるか聞いていました。

  • オンとオフの切り替えがはっきりしている

研究室ではきっちりと仕事をして、遊ぶときはガッツリ遊びます。例えば、研究室の飲み会では、一次会、二次会、カラオケ、バーと朝まで遊び、翌朝にはしっかりと研究室に来ます。

  • 同郷のコミュニティがある

同郷のコミュニティがあり、プライベートで遊ぶだけでなく、次の就職先などの情報をやり取りしているようです。研究室では、一人でも、ちゃんと仲間がいる場合が多いです。

  • いいマンションに住んでいる

外国人研究者には数年間住むことができる、マンションがあります。日本で不自由なく生活してもらうためであり、好立地な物件でリーズナブルな価格で住むことができます。どこも数年間しか住むことができません。日本人も生活の補助を行うアシスタント業務ができる人は住むことができます。

お台場にある東京国際交流館

逆転の立場

上記以外にももっとネガティブなあるあるを思いつくかもしれませんが、逆の立場を考えてみてください。例えば日本人は、ラーメンなどの麺類を音を立てながら食べますが、海外ではそれはマナー違反です。もしも、海外のレストランでやったら白い目で見られるでしょう。しかしそれは、わざとやっているのではなく他国のマナーを知らないから自国のマナーに基づき行っているだけです。とても難しいことですが、ルールを押し付けるのではなく相手の考えを尊重したうえで理解してもらうことが大切だと私は思います。

異国の地で頑張っている外国人研究者を温かく見守り、楽しい研究室生活をともに過ごしてほしいと思います。

( ;∀;)イイガイヨウダナー

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4990385187″ locale=”JP” title=”The Challenging Daily Life―外国人の日本生活奮闘記”] [amazonjs asin=”481819512X” locale=”JP” title=”来日外国人研究者のための生活ガイドブック〈2002〉”]

関連リンク

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. スルホキシイミンを用いた一級アミン合成法
  2. 有機レドックスフロー電池 (ORFB)の新展開:高分子を活物質に…
  3. 大量合成も可能なシビれる1,2-ジアミン合成法
  4. 今冬注目の有機化学書籍3本!
  5. 実験白衣を10種類試してみた
  6. 「不斉有機触媒の未踏課題に挑戦する」—マックス・プランク石炭化学…
  7. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」⑦
  8. カスケードDA反応による(+)-Pedrolideの全合成ダダダ…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 二核錯体による窒素固定~世界初の触媒作用実現~
  2. 第69回―「炭素蒸気に存在する化学種の研究」Harold Kroto教授
  3. 化学に魅せられて
  4. 「架橋ナノゲル」を応用したがんワクチンDDS
  5. スケールアップのためのインフォマティクス活用 -ラボスケールから工場への展開-
  6. アルカロイドの大量生産
  7. NIMS WEEK2021-材料研究の最新成果発表週間- 事前登録スタート
  8. ペロブスカイト太陽電池開発におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用
  9. 三菱化学、酸化エチレン及びグリコールエーテルの価格を値上げ
  10. 有機化学者のラブコメ&ミステリー!?:「ラブ・ケミストリー」

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年12月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

注目情報

最新記事

新発想の分子モーター ―分子機械の新たなパラダイム―

第646回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機反応論研究室 助教の …

大人気の超純水製造装置を組み立ててみた

化学・生物系の研究室に欠かせない超純水装置。その中でも最も知名度が高いのは、やはりメルクの Mill…

Carl Boschの人生 その11

Tshozoです。間が空きましたが前回の続きです。時系列が前後しますが窒素固定の開発を始めたころ、B…

PythonとChatGPTを活用するスペクトル解析実践ガイド

概要ケモメトリクスと機械学習によるスペクトル解析を、Pythonの使い方と数学の基礎から実践…

一塩基違いの DNA の迅速な単離: 対照実験がどのように Nature への出版につながったか

第645回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院工学系研究科相田研究室の龚浩 (Gong Hao…

アキラル色素分子にキラル光学特性を付与するミセルを開発

第644回のスポットライトリサーチは、東京科学大学 総合研究院 応用化学系 化学生命科学研究所 吉沢…

有機合成化学協会誌2025年2月号:C–H結合変換反応・脱炭酸・ベンゾジアゼピン系医薬品・ベンザイン・超分子ポリマー

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年2月号がオンライン公開されています。…

草津温泉の強酸性硫黄泉で痺れてきました【化学者が行く温泉巡りの旅】

臭い温泉に入りたい!  というわけで、硫黄系の温泉であり、日本でも最大の自然温泉湧出量を誇る草津温泉…

ディストニックラジカルによる多様なアンモニウム塩の合成法

第643回のスポットライトリサーチは、関西学院大学理工学研究科 村上研究室の木之下 拓海(きのした …

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP