[スポンサーリンク]

一般的な話題

英会話とプログラミングの話

[スポンサーリンク]

私は業務の関係上、有機化学者でありながらプログラミングも行う必要があります。プログラミングは研究所に入ってから勉強し始めたためプロではなく、日々勉強の毎日です。複雑なアルゴリズムなどを見ると、もっと頭の柔らかい小学生や中学生の時に勉強したかったなぁ。プログラミングは小学生の必須科目でも良いのでは〜?なんて思ってしまいました。そしたら、そのようなニュース記事を見つけました。

しかし、日本の英語教育のことを思い返してみますと、この考えは間違っていることにすぐに気がつきました。日本人は、中学・高校の 6 年間も英語を勉強するのに、ほとんどの人が英語を話せるようになりません。この事実に基づいて考えると、プログラミングを必須科目にしたところで、使えるようになる人はいないのではないかと思ってしまいました。


私は、英会話もプログラミングも学校以外のところで勉強しましたが、十分に仕事上で機能しています。今回はどのようにして英語が話せるようになったかを紹介したいと思うので、参考にしていただければと思います。


ポイントは三つ

です。

語彙力

私が日本の英語教育で圧倒的に不足している思うのが語彙力です。語彙力は視力に例えることができます。語彙力が低い状態での英会話は、視力 0.1 の状態で生活しているようなものです。すべてのものがボヤけて見えてしまい、なんとなく輪郭はわかるけど、細かい部分までは理解できません。一方、語彙力が 3 万語、4 万語と上がっていくにつれて、くっきりと細かい部分まで見えるようになってきます。そのため、私は、語彙を増やすことから始めることをお勧めします。

I Know!

私が語彙力強化に利用したのは、I know! という英単語学習サイトです。このサイトには大変お世話になりました。私が利用していた頃は無料だったのに、残念ながら現在は有料になってしまった。また、サイト自体も大きくダウングレードしてしまったので、現在はお勧めできません。このサイトには TOEIC, TOEFL, SAT, GMAT, GRE など様々なコースがあり、私はすべてのコースを制覇しました。全部で 2 万語程度?覚えました。このサイトの良いところは、ヒトの忘却曲線に沿って一定時間サイクルで以前学習した英単語を出題してくれるところにありました。
例えば、私は毎日 100〜200 単語くらい学習していましたが、そのうち半分くらいは以前の復習でした。また、出てくる例文の音声を聞き、すべてシャドーウィングしました。語彙力はメキメキと向上してきました。
余談
I know! で 二万語くらい単語を覚えた私は、英単語学習マニアになっていきました。“ネイティブスピーカーはどんな人でも最低 5 万語の語彙をもっている”と聞いた私は、薄めの英英和辞典を購入し、1 ページ目から読んですべて覚えようとしました。(英英和辞典とは英英辞典に和訳がついたもの。Z 会から出ている英英和辞典は約 2 万語だった気がします。ちなみにジーニアス英和辞典の収録語数は約 75,000 語です。また、Word Power というネイティブスピーカーが語彙力強化に使う本も通販で買ったりしました(ほとんど読まなかったけど。)

話す力の強化

english_programming_2

語彙力をつけた私は、続いて英会話の力をつけようとしました!そこで活用したのが英会話の授業でした。私が受講したものは、一回 30 分、毎日授業があることが特徴のコースでした。(大学内で行われていた授業です)

ここで一番感じたことは、“英会話もプログラミングもやったらやっただけ身につく”ということです。ポイントは、決まった表現をたくさん覚え、それをたくさん使って自分のものにする事だと思いました。(会話している時に一から英作文していたのでは間に合いません。最初のうちはテンプレート表現を覚えることが大切だと思います)

どんな簡単な表現でも、頭では分かっていても、実際口に出そうとすると止まってしまうことがあります。しかし、3 回くらい使っていくとスムーズに発音できるようになります。あたかも脳の回路が形成されているような感覚を受けます。プログラミングも同様だと思います。

リスニング力

英会話の授業で力をつけたことにより、1 対 1 での会話は問題なくこなせるようになりました。しかし、海外に行き大人数での会話とかになるとついていけないことがありました(筆者の性格の問題もある)。また、大人数の会話では 1 対 1 の場合と違い話す速度も速いです。そこで、リスニング力の強化に取りくみました。

お勧めは、Science Podcast のディクテーションです。これは、Science がその週の Science に掲載された論文から 3 つをピックアップし、その内容について著者にインタビューしたものです。一つの論文につき10 分程度のインタビューですが、すべてディクテーションしようとすると 2 〜 3 時間かかります。また、恐竜、惑星、ゲノムなどまったく違う分野のインタビューを聞き取らなくてはいけないため、知らない単語もよく登場します。(白亜紀 Cretaceous period とか英語で言われてもピンときません!!)これを毎週やると結構力がつきます。

最近は、時間がないのでディクテーションはできませんが、”Nature Podcast” や “The Chemistry Podcast from Nature” を駅から研究所まで歩く間に聞いたりしてます。

まとめ

以上紹介したものは、いずれも私が学生時代やっていたことなので、時間のない方にはあまりお勧めできないかもしれません。私の経験では、英単語を 2 万語くらい覚えると明らかに英語に対する感覚が変わりました。なので、英語ができないと悩んでいる方は、語彙力の強化、ポッドキャストのディクテーションあたりから始めてみることをお勧めします。

Avatar photo

ゼロ

投稿者の記事一覧

女の子。研究所勤務。趣味は読書とハイキング ♪
ハンドルネームは村上龍の「愛と幻想のファシズム」の登場人物にちなんでま〜す。5 分後の世界、ヒュウガ・ウイルスも好き!

関連記事

  1. 化学者の卵に就職活動到来
  2. 多才な補酵素:PLP
  3. 標的指向、多様性指向合成を目指した反応
  4. 地球温暖化-世界の科学者の総意は?
  5. リンダウ会議に行ってきた④
  6. カンブリア爆発の謎に新展開
  7. マテリアルズ・インフォマティクスにおける分子生成の基礎と応用
  8. スローン賞って知っていますか?

注目情報

ピックアップ記事

  1. アルミニウムで水素分子を活性化する
  2. 産総研 地質標本館
  3. アイルランドに行ってきた①
  4. 第162回―「天然物の合成から作用機序の解明まで」Karl Gademann教授
  5. ご注文は海外大学院ですか?〜出願編〜
  6. ストーク エナミン Stork Enamine
  7. 令和4年度(2022年度)リンダウ・ノーベル賞受賞者会議派遣事業募集開始のお知らせ
  8. 「ニコチンパッチ」6月1日から保険適用
  9. シリカゲル担持4-ヒドロキシ-TEMPOを用いたアルコール類の空気酸化反応
  10. 極性表面積 polar surface area

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年10月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー