国内で発行されている電子ジャーナルのプラットフォームであるJ-STAGE。
化学系のジャーナルも複数登録されているため、利用したことがある方は多いと思います。そのサイトデザインが平成29年度以降に変更される予定です。
今月17日に評価版として公開されたサイトを紹介したいと思います。
J-STAGE評価版サイト https://jstagebeta.jst.go.jp/
どう変わる?
昨年公開された資料 [1] によると、J-STAGE利用者からは「表示の英語が分かりづらい」、「他のサイトに比べ直感的に操作しにくい」、「画面や機能が複雑でどう使っていいか分からない」といった画面インタフェースに関する意見が多かったそうです。サービス改善策として「海外プラットフォームのスタンダードを取り入れた画面インタフェース」にするため、以下の方針(括弧内は独自の注釈)が挙げられています。
- グローバルなジャーナルプラットフォームデザイン(直感的な操作が可能なデザイン)
- 検索・閲覧・引用など、閲覧者の目的を達成できるデザイン(目的論文へのアクセス性の向上)
- 記事の読みやすさを重視したマルチデバイス対応(スマホ対応、所謂レスポンシブWebデザイン)
- 閲覧者を引き止める要素を持つ(学会からのお知らせ情報やおすすめ記事紹介)
- ソーシャルメディアとの連携(FB、Twitter等のボタンを配置)
現在はトップページの他、3誌(Chemical and Pharmaceutical Bulletin・Biological and Pharmaceutical・Bulletin Mechanical Engineering Letters)の画面がサンプルとして利用可能になっており、それぞれのページの詳細がリリースノート [2] にまとめられています。
現状は使いにくい印象、フィードバックを送ろう
ACSやRSCのサイトとJ-STAGE評価版をパソコンで見比べて見ましょう。後発のJ-STAGEの方が先行のデザインより古くさくて見にくいと私は感じました。
フラットカラーを使う予定 [1] がトップページ上部で早速守られていなかったり、画像が小さいものばかりで判別しにくかったり、情報量に比べて空白スペースが目立ったり。表示のズレ(上画像のリボン)やメニュー周りのバグ(狭い画面で表示されるハンバーガーアイコンをクリックしてみましょう)もすぐ見つかるため、動作検証をきちんと行っているかも疑問です。いくらベータ版であっても政府ドメインで公開しているページ、これでは不安を感じさせます。
昨今、研究に対する成果の公表やオープンアクセス化を求める声が高まっています。[3] せっかくオープンアクセスとして公開した論文も、プラットフォームでの見せ方が悪くては生かされません。海外の研究者が検索から辿り着いた際、貧弱なサイトでは信頼性を下げる可能性だって考えられます。
J-STAGEは日本の科学のためにとても重要なサービスです。正式版まではまだ時間があります。ユーザーのフィードバックで大幅に改善されることを願っています。