革新的論文管理ソフトReadCubeのテクニック紹介シリーズです(以前の記事はこちら:1・2)。
今回は論文管理ソフトの真骨頂である、引用文献指定機能「SmartCite」をご紹介します。
SmartCite機能って?
簡単に言うと、ReadCubeもしくは外部データベースから論文情報を検索し、それを引用文献として執筆中の論文に入れ込む機能です。まだベータ版ながら、現場研究者のニーズをよく考えて作られている、大変優れた機能です。
使い方はとっても簡単。WordとReadCubeを両方起動しておき、Word画面上でCtrlキーを二回連続で押すだけ。
そうすると、論文検索窓がポップアップされます。この窓に必要な論文情報を入力し、検索をかけます。自前ライブラリは勿論、外部のPubMedも指定できます(いずれはGoogleScholarも追加されるかも知れません)。
検索されてきたら、引用が必要な文献にチェックを入れ、「Insert」を押せば引用番号がペーストされます。1-4といった連番スタイルに自動的に整形してくれるのは素晴らしい。順番を入れ替えることも、この選択画面でできます。
文末に具体的な論文情報を展開したい場合は、以下の作業を行います。
まず執筆中の論文フォーマットを指定します。豊富なリストから選ぶことができ、世にある大抵のジャーナルはカバーされていると思います。
その後、Insert Bibliographyを選択してやると、引用情報が展開できます。
SmartCite機能の凄い点は、スタイルがあとからでも変更可能なこと、論文情報がアップデートされたら(例えばページ番号が付いたら)自動更新されることです。いちいち調べ直す手間が省けますし、別ジャーナルへ投稿し直すときの修正も楽ちんです。
デフォルトスタイルや別のショートカットキーを指定しておきたい場合には、設定メニューから各種指定が行えます。
こんな便利きわまりない機能ですが、最大の難点は(ReadCube全体に言えることですが)どうにも動作が重いこと。これは今後の改善に期待したいですね・・・。
それでは今回はこのへんで。
関連文献
- “Eight ways to clean a digital library” J. M. Perkel, Nature 2015, 527, 123. doi:10.1038/527123a