恥ずかしい話なのですが、FTIRのDRIFTチャンバーを長年掃除していなかったために、長年蓄積した残留物の影響で1週間ほど実験結果が再現できず酷い目に遭いました。きちんと掃除されている方にとってはどうでもよい話ですが、つぶやきということでご容赦ください。
DRIFTチャンバーとは?
DRIFTチャンバーは下図のような形をしていることが多いです(詳しくはFTIR-DRIFTで検索してください。)。
任意の温度・ガス中における固体試料表面上に吸着される物質を高感度で検出できるため、固体触媒の研究で頻繁に用いられます。青線で囲まれた部分に粉末サンプルとKBrを載せて測定を行いますが、一部のサンプルとKBrが赤線で囲まれた部分に落ちてしまう事がよくあります。一度落ちてしまうと掃除し辛く、溜まったものが見えづらいのでついつい掃除を忘れがちです。
私の場合、落ちたサンプルが水分やアンモニアを吸着して溜め込んでいたようで、溜まったものが少しずづ気化して予期せぬピークが現れたりしていました。どうやら5年ほど掃除していなかったようで、掃除しようと中を開けたところカチカチに固まった緑と茶色の何かが大量に出てきました。掃除後はコンタミもなく予想通りのデータが得られました。
今ちょうど研究室では卒論・修論が終わり、実験がひと段落した所が多いのではないでしょうか。
この機会にFTIRだけではなく実験装置を掃除されてみてはいかがでしょうか?