[スポンサーリンク]

一般的な話題

親子で楽しめる化学映像集 その2

[スポンサーリンク]

ゴールデンウィーク明けましておめでとうございます!

皆さん素敵な休日は過ごせましたでしょうか?私は講義でした・・・

最近の大学では祝日でも平気で講義が日程に入っています。世知辛い世の中です。

という訳でゴールデンウィークでなまってしまった皆様の化学脳を再び活性化すべく、化学映像をお楽しみ下さい。今回も美しいものから不思議なもの、ちょっと恐ろしげなものまで取りそろえてみました。

 

前回のはこちら

アナと雪の結晶

最初は凄く短いですが美しい映像をどうぞ。

 

水滴から雪の結晶のような形ができあがってくる映像です。

正確にはこのようにして雪の結晶ができるわけではないですが、神秘的な造形ですね。

 

スーパー撥水

二つめも水に関係したものを。主役は水ではなく、素材の方ですが。

 

最初に出てくるのは超親水性の素材です。金属の板を斜めに立てかけているにもかかわらず、水を下の方にたらすと親水性のため水が広がりながら上に上っていきます。

次に出てくるのは全く逆に超撥水性の素材です。上から水滴をたらしてもはじいてしまい、水滴がジャンプします。

素材と言っても実は新素材というわけではなく、既存の金属をレーザーを用いて表面を加工したものです。

この結果はロチェスター大学のグループによってJournal of Applyed Physiscs誌に報告されています。[1]

 

躍る水

お次はなんだか一瞬理解不能な映像を。

フラスコの中にある液体が凍ったり、沸騰したりしています。これはトリック映像でもなんでもなくて、物質の三重点を見事に撮影したものです。

三重点とは物質がある温度、圧力下で液体、気体、固体の三態全てをとることができる特異的な状態のことです。例えば水の三重点は、温度が 0.01 ℃ (273.16 K)、圧力が 611.2 Paとなっています。

映像はシクロヘキサンですので、温度279.48 K (6.33 °C)、圧力5.388 kPaとなっているはずです。

 

チクチクウニ

前回はガリウムの不思議な性質に関する動画をご紹介しましたが、今回のは磁性流体の不思議です。

磁性流体とはその名の通り磁性を帯びた液体とでもいいましょうか。強磁性の物質を含んだコロイド溶液です。磁性流体に対してネオジム磁石のような強力な磁石を近づけるとスパイク現象という現象によりトゲトゲのウニみたいな状態になります。磁力線を可視化したような感じですね。

ある種の芸術のようです。実際に磁性流体を使ったアートを作成しているアーティストさんがいらっしゃるくらいです。

磁性流体を自作することも可能で、レーザープリンター用のトナー食用油に入れて混ぜるだけでできます。ただトナーがこぼれたり、どこかに付くと落ちませんので家庭でお試しの際はご注意を。

市販のキットも売られたりしています。

[amazonjs asin=”B0040XK6LQ” locale=”JP” title=”磁性流体ふしぎ観察キット”]

 

青き炎

最近我が国では火山の活動が活発化しているところが多い気がします。

当然災害には十分注意が必要ですし、できれば噴火などしてほしくはありません。

しかし時に自然の驚異は不謹慎にも美しく感じてしまうことがあります。ハワイのキラウエア火山の溶岩などは観光スポットにもなっているくらいですが、インドネシアのijen火山はこれまた幻想的な光景を見せてくれます。

溶岩流といえば灼熱の赤が定番ですが、こちらの溶岩流は青白く光っています。

Ijenは硫黄が多量に産出することでも知られており、その露出した硫黄が燃焼することで青白い炎が出ているのです。この地に行くには数時間のハイクが必要で、かつこの青白い炎は夜しか観察できないので観光地にするのは困難だそうですが、それでも訪れる人は増えているようです。

 

 

ごちゃ混ぜ

最後は色々詰め合わせの映像をどうぞ

 

最初はコーラに塩素(系の漂白剤と思われます)を入れるというのから始まります。美しいものからワオというものまでバリエーションがあって楽しめます。

サムネイルは石けんインク入り牛乳のものですが、私が一番綺麗だと思ったのは水にセシウムを入れる映像です。アルカリ金属を水に入れるとドカンといきますが、水の中はこんなに綺麗なんですね。

他にもリチウムやカルシウム金属を火にかけたらどうなるのかなどは正直知りませんでした。

お約束のチオシアン酸水銀に点火して”ファラオの蛇”を呼び出すちょっとグロい映像もあります。ただ一つ解せないのはイカの活き作りに醤油をかけるやつです。化学反応と言えるのかどうか・・・

 

YouTubeは化学映像の宝庫ですね。次から次へと見つかるのですが、日本語のがちょっと少ないのが気がかりであります。日本の大学もYouTubeをもっと活用していいのではないかと思いました。

また発掘しましたらいつか紹介したいと思いますので、次回をお楽しみに!

 

 

参考文献

  1. A. Y. Vorobyev, A. Y.;Guo, C. J. Appl. Phys. 2015, 117, 033103. DOI: 10.1063/1.4905616

 

関連書籍

[amazonjs asin=”B00BF7MJH4″ locale=”JP” title=”【科学工作】化学 5種類の実験に挑戦おもしろ化学実験キット”] [amazonjs asin=”B00BF7M9DI” locale=”JP” title=”【科学工作】化学 はじめての化学実験キット”] [amazonjs asin=”4774170585″ locale=”JP” title=”YouTube 投稿&集客で稼ぐ! コレだけ! 技 (得する<コレだけ! >技)”] [amazonjs asin=”4408175307″ locale=”JP” title=”青き炎 Vol.3 最終章 男の旅に終着駅はない! 男の旅(ロマン)編 (マンサンコミックス)”]
Avatar photo

ペリプラノン

投稿者の記事一覧

有機合成化学が専門。主に天然物化学、ケミカルバイオロジーについて書いていきたいと思います。

関連記事

  1. 広範な反応性代謝物を検出する蛍光トラッピング剤 〜毒性の黒幕を捕…
  2. 周期表の歴史を振り返る【周期表生誕 150 周年特別企画】
  3. 続・日本発化学ジャーナルの行く末は?
  4. 2022 CAS Future Leaders プログラム参加者…
  5. 研究者のためのCG作成術①(イントロダクション)
  6. 第11回 野依フォーラム若手育成塾
  7. つぶれにくく元にも戻せる多孔性結晶の開発
  8. 知られざる有機合成のレアテク集

注目情報

ピックアップ記事

  1. イヴァン・フック Ivan Huc
  2. 有機半導体の界面を舞台にした高効率光アップコンバージョン
  3. (+)-MTPA-Cl
  4. ケムステイブニングミキサー2019ー報告
  5. 長谷川 美貴 Miki Hasegawa
  6. 赤色発光する希土類錯体で植物成長促進の実証に成功
  7. 英会話とプログラミングの話
  8. 2009年10月人気化学書籍ランキング
  9. ノッシェル・ハウザー塩基 Knochel-Hauser Base
  10. 正宗・バーグマン反応 Masamune-Bergman Reaction

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年5月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2025年4月号:リングサイズ発散・プベルル酸・イナミド・第5族遷移金属アルキリデン錯体・強発光性白金錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年4月号がオンラインで公開されています!…

第57回若手ペプチド夏の勉強会

日時2025年8月3日(日)~8月5日(火) 合宿型勉強会会場三…

人工光合成の方法で有機合成反応を実現

第653回のスポットライトリサーチは、名古屋大学 学際統合物質科学研究機構 野依特別研究室 (斎藤研…

乙卯研究所 2025年度下期 研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

次世代の二次元物質 遷移金属ダイカルコゲナイド

ムーアの法則の限界と二次元半導体現代の半導体デバイス産業では、作製時の低コスト化や動作速度向上、…

日本化学連合シンポジウム 「海」- 化学はどこに向かうのか –

日本化学連合では、継続性のあるシリーズ型のシンポジウムの開催を企画していくことに…

【スポットライトリサーチ】汎用金属粉を使ってアンモニアが合成できたはなし

Tshozoです。 今回はおなじみ、東京大学大学院 西林研究室からの研究成果紹介(第652回スポ…

第11回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー…

第12回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・…

新たな有用活性天然物はどのように見つけてくるのか~新規抗真菌剤mandimycinの発見~

こんにちは!熊葛です.天然物は複雑な構造と有用な活性を有することから多くの化学者を魅了し,創薬に貢献…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー