皆さんゴールデンウィークはいかがお過ごしでしょうか!?私は仕事ばかりで滅入っています。
最近投稿が全くできずにおりましたが、それはきっと妖怪のせいです。そうなのです。
さて、バカな前置きは置いておきまして、今回はゴールデンウィークも化学のことが気になって仕方ない方々のために、ちょっとした化学関係映像集をお届けします。旅のお供にぜひ。
以前化学系面白サイトをいくつかご紹介しましたが、今回は全て映像となっております。美しいものからへーという不思議なものまで取りそろえてみました。
電池の見極め
まずはライフハックから。アルカリ乾電池が使えるかどうか簡単に判定する方法です。
なんと放電しきったアルカリ乾電池は跳ねます。
初期状態では電池内部がゲル状の混合物で無反動ハンマーのような状態になっているため跳ね返りにくくなっています。一方、電池中の二酸化マンガンが放電に従って、酸化マンガンに変化していった結果砂のような状態に変化するため、使い切った電池は跳ねるということのようです。
カラフルな水
続いては見てて楽しい映像だけどれっきとした化学なものを。
ガラス板上に滴下した食用色素(ポリプロピレングリコールを含む)水溶液が、まるで互いを認識しているかのように動き回っています。
原理は複雑ですので詳細は割愛しますが、水とポリプロピレングリコールの表面張力の強さと蒸発速度の違いが関係しています。水滴の中で竜巻のような渦が作り出されることで水滴が自立して動くように見え、他の水滴との相互作用が生まれます。異なった水/プロピレングリコール比率の水滴を用意すると、同じ比率の水滴同士があたかも自律的に集まるような現象が観察できます。それが上の映像です。
この結果はスタンフォード大学のグループによってNature誌に報告されています。[1]
躍る水
お次も不思議な水映像を。
一瞬意味が分からないかもしれませんが、もの凄く熱く熱した金属板の上に水をたらしています。普通に考えたらすぐに蒸発してしまいそうですが、たらした瞬間に蒸発した水の蒸気が金属板と液体の水との接触を妨げ熱伝導が少なくなった結果、すぐには蒸発せずに浮いたようにしてしばらく留まるという現象です。これをライデンフロスト効果と呼びます。
迷路みたいなのを作って愉快な映像を作成してくれたのはBath大学のグループです。
不思議なリキッドメタル
続いてはすぐ液体になってしまう金属のガリウムの面白映像をどうぞ。最初に登場するおにーちゃんがちょっとうざいかもしれませんがご了承下さい。
まずは融点29.8°Cのガリウムがぬるま湯中で簡単に融けてしまうところを紹介しています。
次が少し驚くような映像ですが、パソコンのCPUを冷却するのによく用いられているアルミニウムの放熱板にガリウムを乗せ、しばらく経つとあーら不思議。
この現象は液体金属脆化と呼ばれています。液体状のガリウムがアルミニウムの結晶格子中に入り込んでいくことで金属がもろくなるものと考えられていますが、詳細についてはまだ未解明な部分も残されているようです。こちらのサイトに解説があります。
ドライアイスが奏でるメロディー
化学かどうかは微妙かもしれませんが、ドライアイスを使ったお手軽実験映像がこちら
ドライアイスは二酸化炭素の固体で昇華して気体になります。そこにコインを突き刺すとその部分から昇華が活発になり、気化した二酸化炭素がコインを揺らすという原理です。
この映像は埼玉県立坂戸高校の山田暢司教諭によるものです。氏はらくらく化学実験というサイトを運営されており、またYouTubeに面白実験の映像をいくつか投稿されておりますので参考までに。著書も面白いです。
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さて、色々ご紹介して参りましたが今回はこの辺で。次回もとっておき映像をご用意させていただきますのでぜひ旅の疲れを癒やすのにご活用下さいね。
よい休日を!
参考文献
[1] Cira, N, J.; Benusiglio, A.; Prakash, M. Nature, 2015, 519, 446. DOI: 10.1038/nature14272