今年もCASが主催するSciFinder Future Leaders in Chemistryプログラムの参加募集が開始されました。
ケムステの過去記事(こちらとこちら)にもあるように、このプログラムではオハイオ州にある大学やCAS等の企業見学に加えACS Fall meeting(@ボストン)に無料で招待され(航空券、宿泊費、学会参加費等はすべてCAS持ち)、さらに賞金として1000$が支給されます。
募集要項は
- 博士課程の学生(来年度進学予定なら可能?)かポスドクである
- 500-1000字のエッセイ(研究にどのようにSciFinderを利用しているか?)
- 履歴書
- 推薦状
のみです。(日本からの募集期限は4月12日まで)
ものすごく簡単に申し込めて、見事選ばれた場合は過去の参加者の感想からも分かるように非常に素晴らしい経験が出来ます。
昨年は稲葉央さん(当時、京都大学)が参加され、前回と同様、化学情報協会による記事では「ケムステの記事がきっかけで応募し参加した!」ということでしたので、是非インタビューを!、ということで色々と参加された感想をお聞きしてみました。
Q1.申し込みの動機は?
博士課程のときにアメリカに短期留学した際に、一緒に研究をしていたポスドクに応募してみたらどうかと勧められたのがきっかけです。彼は一回応募して落ちたそうですが、日本なら応募者も少なそうだし通りやすいんじゃない?と言われました。笑
彼はその後イリノイ大で独立して、今の私のボスになっています。Chem-Stationでも紹介されていたのを見て、面白そうだなと思って応募しました。
Q2.これまでの海外(留学、学会発表等)経験は?
上に述べたように、博士課程のときに二ヶ月ほどUC Berkeleyに短期留学していました。そのときは初めての海外渡航だったので色々と大変でしたが、おかげで今回のプログラムは比較的余裕を持って参加できたように思います。
Q3.自分が選ばれた決め手に心当たりは?
あまりないのですが、エッセイは何回かネイティブに見てもらって書き直したので、少しは目に留まりやすくなったかもしれません。毎年日本から一人は選ばれているようなので、日本人枠のようなものがあるのではないかと勝手に思っています。2013年プログラム参加者の辻さんもおっしゃっていましたが、気軽に応募してみると意外に通りやすいのかもしれません。
Q4.プログラムの良かった点は。
やはり、化学を共通項として世界中の同世代と繋がりを作ることができたのが一番大きかったです。毎日一緒に過ごすことで打ち解け合い、メンバー同士の将来設計や悩みも話し合えるようになりました。彼らとは今でも連絡を取り合っています。
プログラム自体も、適度にレクレーションも挟みつつ、CAS本部や企業の見学、SciFinderに関するグループディスカッション、ACS meetingへの参加などとても充実しています。特に食事、ホテル、移動など全てオーガナイズして頂いたので、予想よりはるかに快適に過ごすことができました。また個人的に、プログラム参加前にイリノイ大の現ボスを訪問したいと無茶なお願いをしたのですが、快諾して頂いて有難く思っています。
Q5.もう一度参加するなら準備したいこと・ものは?
ちょうど参加前は博士論文の作成に追われていて英語の勉強があまりできなかったので、もう少し英語力(特にリスニング)をつけていけば良かったかもしれません。日本のことを英語で説明できるようになっておくと会話が盛り上がると思います。
Q6.実際に参加してみて、想像と違っていたこと
参加メンバーと話していて分かったのですが、いくつかの国でSciFinderの使用人数に厳しい制限があったり、実験環境があまり良くなかったりと、改めて日本は恵まれているなと感じました。あとはホテルが予想以上に豪華だったことですかね。スタッフの本気を感じました。笑
Q7.「参加しようかな」と思っている方にメッセージをお願いします。
今回のプログラムを通じて、世界中の研究者と触れ合い、濃密な時間を過ごす貴重な体験をさせてもらいました。外国への渡航や英語でのディスカッションを不安に思う方もいるかと思いますが、手厚いサポートをしてもらえますし、意外と何とかなるものです。研究はもちろん、それ以外に関しても視野を広げる大きなチャンスなので、思い切って応募してみることをお勧めします。
最後に、博士論文作成に専念すべき所、このプログラムへの参加を許可して頂いた北川進先生にこの場を借りて御礼申し上げます。
申し込みは4月12日まで
いかがでしょうか?参加すると、世界各国から集まった優秀な若手研究者たちと貴重な体験が出来ることは間違いありません!締切までまだ一か月以上あるので今すぐエッセイを書いて応募しましょう!!申込はこちら!
最後に、忙しい中インタビューにご協力いただきました稲葉央さんにこの場を借りて御礼申し上げます。
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