サイエンスについてのおもしろいこと、気になること、さらにこれからのことを、一緒に楽しみ、語り合い、共有するマルチイベント「サイエンスアゴラ」
昨年度よりケムステの外部活動の一環として、またより一層の周知と新しいメンバーの募集を兼ねてサイエンスアゴラに出展しており、今年のサイエンスアゴラ2014に11月8日と9日に参加してきました。
遅くなりましたが、サイエンスアゴラ2014の総括です(予告記事はこちら)。
事前準備について
今回は、前回と同じマシュマロゲルとエアロゲル、さらにヤモリテープを加えた三つを最新の研究トピックとして紹介し、バニリンとイソバニリン、DLメントールを匂いのかぎ分けクイズということで紹介しました。マシュマロゲルとエアロゲルに関しては、前回こどもたちの好奇心ですぐに粉々になってしまったので大量に準備しました。また、匂いの材料は手についてしまった参加者のいらっしゃったので固体の化合物のみを準備しました。このように前回の経験を生かして展示の方法を改良しました。
当日のにぎわい
前回はメインの会場ではなく、少し小さな部屋だったのでお客さんが途切れる時間がかなりありましたが、今回はメインの会場での出展となりほとんどの時間でお客さんが体験をしている状況でした。にぎわい度合いとしては、全体からみて中程度だったと思います。ケムステ目当てで来ていただいた方が本当に多く、うれしい限りでした。また、このサイエンスアゴラでケムステを知った方も多く、まだまだだなあと感じております。
客層
こどもさんを連れた家族連れが多かったです。匂いの分子の説明のために分子模型を準備したところ、その模型で遊ばれたお子さんもいて、自分もその年齢だったら遊びたくなるだろうなと感じました。その一方で大学生以上の方にも多く来て頂き、有意義な議論を行うことができました。ありがとうございました。私も、彼女ができたらアゴラに彼女を連れていきます。さらに結婚して子供ができたらアゴラに連れて行き、立派なケミストに育てます!
共通の質問
一番多かったのは、応用についてでした。やはり、今触っているものがどこに使われているかということは共通の不思議なのでしょう。もちろん応用を求める研究も大事ですが、ニュートリノのような物質の性質を知る研究も大事であることを、私は理解してほしいと思っています。また、私たちは何者だという質問も頂きました。我々は、世界一の化学ポータルサイトを作ることを目標にしている有志の団体であり、普段は大学の教員であったりサラリーマンであったり学生であったりとそれぞれの世界で活躍しています。匂いのコーナーでは、人工由来=悪いもの、自然由来=いいものという正しくはないイメージがひしひしと伝わってきました。このイメージはぜひとも考え直してほしいものです。
サイエンスアゴラ全体について
やはり家族連れが多いため、何かを作ったり体験するような企画は賑わっていましたが、最新の研究トピックを扱うような企画はなかなか厳しいようでした。サイエンスアゴラは、ただの科学実験イベントではないですし、サイエンスアゴラ2014では
「あなたと創るこれからの科学と社会」という目標のもとに市民、研究者・専門家、メディア、産業界、政策決定者(行政・政治)といったすべてのステークホルダーが「科学(サイエンス)のひろば(アゴラ)」に参加して語り合い、科学と社会について考えていただける(ホームページから引用)。
ことを望んでいるそうです。
しかしながら、現状は科学実験イベントがメインとなっていた気がしました。もちろん第一に多くの方が参加することが基本事項ですが、このような目標を作ったからには、もう少し幅広い参加者を呼び込むような工夫があっても良かったのではないかと思います。
来年について
まだ未定ですが、前向きに検討しております。もしも参加する際には、新しいネタを加えて読者の方々と議論できるような内容で出展したいと考えております。ご期待ください!