あと3日で2014年も終わり。新年を迎えようとしています。あなたの2014年はどうであったでしょうか。
個人的には最も論文を書くことができた良い年でした。来年面白い論文が出そうなので乞うご期待。招待講演以外極力外出しなくなってから2年ほど。来年は少しだけ学会参加も増やしていきたいと思います。時間が有るときにまた近況報告でも書きます。
ケムステとしては、日本化学会年会における若手研究者のためのイブニングミキサー、昨年からサイエンスアゴラと外部活動も徐々に増えています。今年のメインイベントは国際版と中国語版の公開。両方合わせて600ほどの記事を公開しました。そして、日本版の完全リニューアル。これに費やした時間は論文数本におよびますが、今後も継続可能な基盤をつくることができました。
さて、今年もこの化学者のつぶやきでは、筆者も含めてケムステスタッフ一同で様々な化学に関する話題を挙げました。計150記事。昨年が174記事でしたのでまたもや少し減りましたが、他のコンテンツの記事は増加し、増減はほぼゼロ。2日で1記事ほど名前の通り「化学者のつぶやき」を定期的に提供できたのではないかと思っております。
それでは毎年恒例の人気記事ランキング*で今年一年を振り返ってみましょう。
*今年のランキングは途中でリニューアルをしたため、うまくカウントできてきませんが独断と偏見でランキングしてみます。
2014年ケムステ人気記事ランキング発表!
1位はノーベル賞関連の記事。受賞者が日本人であり、待望の青色LEDであったことから今年のノーベル賞は一般的にも大変注目を集めました。受賞は物理学賞でしたが、化学賞の範囲でもありましたので速報もすぐに行いましたが、もう少し研究的・技術的観点から執筆した本記事が今年一番のアクセス数でした。
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- 天野 浩 Hiroshi Amano
- 赤﨑 勇 Isamu Alaska
- 中村 修二 Shuji Nakamura
- 青色LED和解:中村教授「日本の司法制度は腐ってる」
2位はバイオミメティクな材料について。ツルツルの窓ガラスでもスイスイ登るヤモリ。吸盤かなんかで吸い付いて登ってることを想像するでしょうが、実は違います。ヤモリの足の表面には吸盤はありません。「毛」があるだけなのです。ヤモリのくっつく仕組みを応用したヤモリテープを今年のサイエンスアゴラで展示させていただきました。バイオミメティクス展示会でも取り上げられていたようで、生物からデザインを学ぶ格好の材料ではないかと思います。
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3位は不思議な材料を科学的な観点で紹介してみました。ガラスが液体? というのも、ガラスは元素構成SiO2、「常温で固体(のような状態)」で、一般的な「融点」と理解できる粘度を持つのは1200℃前後。常温で液体になんかなりゃあしません。
しかし、「日興」及び「モクテックカメムラ」「液体『のように』扱えるガラス」の登場により大きくイメージが変わります。曰く、木に塗れる。曰く、コンクリに塗れる。しかも常温。塗るだけ。それでホーローと同じように、どんな表面にもガラスコーティングが出来るという非常に面白いものです。特に「日興」社の成果はテレビで放映されたことから一気に注目されました。
4位は皆さん経験があるのではないでしょうか?再現性に関する論文です。生化学実験に関する意外な盲点がなんとScienceに掲載。しっかりしたデータを出すラボほど、経験的・口伝的に注意を払う文化が醸成されているようにも思います。常日頃から気をつけておきたいですね。
5位は一般的にもよく知られた話を異なった観点からの書いた記事。今年の科学界での負のホットトピックはやはりこれ。寸評は様々なサイトでなされているのでそちらに譲るとして、ともすると誤解されている科学とは何か、科学的とはどういうことか、科学における作法とはどういったものかなどについておさらいし、なぜSTAP細胞問題がまずかったのか、考えてみました。
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6位はちょっとコアな化合物の構造について。天然物化学に携わる研究者なら、研究のシーズを探すためにもユニークな化合物が発見されないかなあと日々気にしていることと思います。でもたまにちょっと信じがたいような化合物の発見に関する論文に出くわす事があります。この記事ではいろんな意味で信じられない化合物を紹介しました。
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7位は5位と関連した記事。執筆者は化学の楽しさを広めるための場でこのようなことを書くのは悩んだものの、自身の学位取得の際の体験を交えながら、今回の「事件」についてつぶやいてみました。
8位はこれもノーベル賞関連。いつもどおり日本人の受賞でなく、さらに予想から完全に外れていたので、メディアは一瞬で手を引いた報道でした。ケムステでは予想範囲内の一部であったので、最も早く速報を出すことができました。これまでと比較して、非常に新しい技術が受賞に至った今年のノーベル化学賞でした。
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9位は科学者に有るまじき不正行為について。 論文をめぐる不正というのはあとを断ちません。ちょっとした文章の剽窃から、大々的なデータの捏造まで不正の手段は様々ですが、正直そこまでやるかという新たな不正が顕在化しつつあります。その不正の方法とはどんなものでしょうか?
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10位は有機化学のレジェンドの急逝に関しての追悼企画です。本年も多くの化学者が逝去されました。心よりお悔やみ申しあげます。
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2015年もよろしくお願いします!
いかがであったでしょうか。新しくなったケムステ。スタッフ一同、来年も益々面白い記事を書いていきたいと思います。
それでは本年も大変お世話にななりました。2015年もケムステをよろしくお願いいたします!