研究の秋です。16日に日本学術振興会特別研究員の審査結果が出ました。そして現在は科研費応募書類作成の時期でもあります。
ところで最近、科研費の審査経験がある研究者が、業績をググって調べることがあるとおっしゃっていました。応募書類にも「研究成果を社会・国民に発信する方法」が記入項目になっていますが、インターネットでまとまった情報が出てこなければ印象が悪いのは当たり前ですね。これを機に研究業績やプロフィールをインターネット上で公開してみてはいかがでしょうか。
今回は比較的登録が容易なGoogle Scholarについて紹介したいと思います。
なぜGoogle Scholarを勧めるのか?
Google Scholarは契約なしで利用することができます。出先で作業する場合でも大学サーバーに繋がず利用できるので便利です。論文のWeb掲載後、某大手サービスが何週間も反応しないケースがあるのに対し、Google Scholarは反映が早い(通常は数日)ことが多いように感じます。過去には精度に問題があったようですが、最近ではかなり改善されました。現在は論文査読に使われるEditional Manager等のサービスでもGoogle Scholarへのリンクが貼ってあります。査読作業中に著者の過去の文献を調べる際には助かります。
登録するとどうなるか?
プロフィールは「マイ引用」をクリックすると登録することができます。実際にケムステ代表の名前で検索してみました。登録されていると、検索画面最上部にプロフィールへのリンクが表示されます(赤枠)。また、論文検索結果の著者名が登録者のみリンクに変わり、クリックすることでプロフィールに飛べるようになります。
プロフィールページには文献リストが並び、年別の引用数やh-indexなども表示されます。フォローすることで、研究者が論文を出したりその論文が引用された際のアラートが届くようになります。
登録すると、気になる論文を保存する機能(マイライブラリ)や、自分のプロフィールに登録されているデータから興味がありそうな新着論文を表示する機能(マイアップデート)を利用できます。特に後者が便利です。
他のサービス
研究プロフィールを登録できるサイトは他にも、researchmap、ResearcherID、Mendeley、ResearchGate、ORCIDなどたくさんあります。すべてに登録する必要はないかもしれませんが、他者の目に多く触れれば論文に引用されるチャンスが増えるなどのメリットがあるのではないでしょうか。行う価値は十分にあると思います。プロフィールを登録することで、業績の整理にもなります。やってみましょう。