長らくお待たせいたしました。既にTwitter等でリツイートを徐々に行っているのでご存知である方はいらっしゃるかと思いますが、ついにケムステ国際バージョンをオープンしました!コンセプトは
「日本発の国際化学メディア」
です。
ケムステ国際バージョン「Chem-Sation. Int. Ed.」
?自身の過去記事をみていると2012年4月から言い始め、2012年10月時点では「どうにかして年内になんとかしたい」と。
そこから2年。ようやく国際バージョンを公開しました!?
Chem-Station Int. Ed.
国際バージョンの方向性とコンセプトは冒頭に記載したように「日本発の国際化学メディア」を目指すことです。忙しさにとりまぎれて制作をくすぶっていたきっかけを与えてくれたのが、この記事。仕方がないことですが、自国のメディアは自国の意見を尊重しよく取り上げます。尊重するという表現が間違っているのならば、話題になりやすい、取材しやすいとしたほうがよいかもしれません。リンクの記事は米国のC&ENをはじめ各種英語が言語である有名化学ブログでも大きく取り上げられたのですが、そのコメントのひどいこと。我々はリンクの記事のように実際に本人と密に連絡をとり書き上げましたが、もちろん日本語。日本人にしか伝わりません。対して、”大手化学Webメディア”はそれが国際的に伝わるのです。
今年の日本化学会賞を受賞した人は知っていますか?びっくりする研究をしている若手化学者を知っていますか?日本の化学を知っていますか?
問題はいつも日本語。
というわけで、日本発の国際化学メディアをつくって、いざというときに意見を発することのできる化学を解説する必要性がでてきました。そんな大きなことを書いてしまっていますが、まずは人気を集めなければなりませんので、定評と実績のあるケムステ日本版のコンテンツを英訳することからはじめています。
さて、長くなりましたが、メインコンテンツは「化学者(Chemists)」「インタビュー(Interview)」「分子(Molecules)」「最新論文(Pepers)」「合成反応(Reactions)」、「ギャラリー(ChemGallery)」そして「ブログ(Blog)」。
「化学者(Chemists)」:世界の化学者を紹介します。日本人限定ではもちろんありませんが、作成者が日本人なので”日本人リッチ”になります。
「インタビュー(Interview)」:化学者にインタビューします。そもそもフォーマットがNature Chemistryのブログと同様(Nature Chemistryのエディターに許可をとってあります)の日本人のみ
「分子(Molecules)」:分子の観点から化学を紹介。ブログや最新論文からピックアップ。日本語英訳から来てるので日本発の分子も多い。
「最新論文(Pepers)」:最新論文の内容と著者を簡単に紹介。日本の若手化学者を出したいので、必然的に日本人リッチの最新論文紹介となる。
「合成反応(Reactions)」:当サイトのメインコンテンツであるODOS有機合成反応データベースを英訳化。国際的にみてもこれだけ数を揃えたフリー反応データベースはない。
「ギャラリー(ChemGallery)」:あるテーマに基づいた、化学に関する画像集め。趣味に近い。
国際版専用のTwitter、Facebookも開設しています。日本版とは異なる話題も提供していくつもりですので興味のある方はどうぞフォローして下さい。
Twitter @chemstationeg
まだまだ日本版の足元にも及ばない記事数ですが、ゆっくりと構築していきたいと思っています。
情報提供者&翻訳者募集中!
国際版公開にあたって、現在2つ募集をしています。1つめは「最新論文(Pepers)」に掲載する論文の募集です。自分自身の関連する論文でも、関連分野の注目論文でもよいので掲載をご希望の方はこちらにご連絡ください。簡単な研究の紹介文(英語)をいただけると幸いです。2つめは、日本版の翻訳者、英語で記事を執筆したい方を募集しています。日本版に比べてスタッフは極端に少なく、日本語も英語もできる研究者(大学院生含む)のお力を借りたいところです。日本版の翻訳は主にブログ「化学者のつぶやき」や世界の化学者データベース、有機合成反応「ODOOS」の翻訳を行います。Blogにオリジナルの記事を執筆することも可能です。同じくこちらに「スタッフ募集について(国際版)」のタイトルでご連絡ください。
ケムステ中国語版もつくっちゃいました「化学空间 Chem-Station」
米国・欧州で研究する中国人は非常に多く、Ph.Dを取得して英語に堪能な化学者においてもやはり中国語のサイトを覗いていることが見受けられます。中国人の友人に聞けば、中国語で化学をまとめたサイトはほとんど存在しないようです。そこで、まずはODOS有機合成反応データベースの中国語化を目指して、中国語版も立ち上げました!
化学空间
さすがに中国語は書けないので、日本でPh.Dを取得した中国人博士研究員と中国語が堪能な日本人博士課程後期学生の2人に依頼して翻訳を進めています。こちらもある程度数が増えましたら、国際版と同様なコンテンツを展開していきたいと思っています。ぜひ友人の中国人研究者、学生にお知らせくださいませ。
日本版での14年のウェブ運営の経験と、積み重ねた莫大なデータがあるにせよ、まだまだ2つの新しいケムステは羽化したばかり。どのように変わっていくかわかりません。つい先日、化学工業日報に以下のような記事を掲載していただきました。紹介が化学コミュニティ創造ポータルサイト?になっていますが、研究の傍ら世界にも化学情報を発信していけたらと思います。
たまたま別件で連絡がありインタビューの公開を伝えた某先生からは
「Chem-Stationを維持・拡大するのも大変な熱意が無ければ出来ませんね。感心します。あまり無理してDavid Ginみたいに突然死にならないようにして下さい。」
と言われました。いやいやまだまだ死ねません!死なない程度にがんばります!
と、そんな感じでやっていきますので今後ともよろしくお願いいたします。