よく耳にするタイトルのフレーズですが、優れた研究者は優れた教育者。
先日、実感するエピソードを聞きましたのでご紹介します。
とある超有名先生のお話。有機化学では人名反応にもなっているほどのビッグネームの先生で、筆者が学生の時分には既に退官されており、特別講演を聞く機会が一度あっただけでした。講演は反応開発から全合成を、研究のエピソードを交えた、年齢を感じさせないエネルギッシュな内容でした。
先日、その有名先生の研究室出身の方と話す機会がありまして、筆者からすると既に伝説で、非常に厳しかったという噂だけを聞いているという話をしたところ、個々人をみて、合わせた指導が非常に上手いところが凄いということでした。
具体的には、全員にこまめに声をかけ、うまくいっていない人には、細かい指示ややることをどんどん与えていき、あるレベルになった人や、うまく進んでいる人には自分で考えさせるような方向性へ誘導するようにされていたとのことです。
筆者が本当に驚いたのは、確かに厳しい先生だったけれども、研究室に来なくなった人はゼロ!! とのことでした。(ちなみに筆者の所属研究室では、筆者の修了までに5人ほど・・・。)他の研究室の方と話しても、朝来たら先輩の机の荷物がすべてなくなっていたとか、欝を発症し朝苦しくて起きることさえできなくなったなどなど、よく聞いていたため、ゼロというのは非常に驚きでした。
大学院に限らず、企業でも、メンタルダウンで出社できなくなる事例は多く、接し方などに頭を悩ますことに直面もするのですが、その先生のように相手を大事にしていくことを心の片隅に置いておきたいと思ったお話でした。