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小説『ラブ・ケミストリー』聖地巡礼してきた

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化学好きならば必読の書『ラブ・ケミストリー』・『猫色ケミストリー』・『ラブ・リプレイ』!

喜多喜久先生が作中のモデルにしたとされるあの大学のキャンパスに、ケムステスタッフのひとりが聖地巡礼物語のゆかりある場所を訪問すること)してきましたッ!

 

わざわざ聖地巡礼と言っても、訪問先は東京都文京区にあるアノ大学ですけどねー。

>この作品はフィクションです。もし同一の名称があった場合も、実在する人物、団体等とは一切関係ありません。

こうはっきり書かれていますから、この聖地巡礼レポートは、いちラブケミファンの他愛もない妄想ということで、よろしくお願いします。

 

  • 農正門

まずは本郷通りの農正門、ここから入りましょう。

GREEN2012tokyouniv02.jpg

>カロンのリクエストに応えて、正門から構内に入ることになった。

>(中略)

>すぐ左手に地下鉄南北線の駅への入口があり、その向こうに、大学の敷地から豪傑にはみ出した木々の枝先が見えている。

>(中略)

>巨大な鉄扉は堂々と開け放たれており、来る者拒まずという、大学らしい懐の深さを見せつけている。

喜多喜久『ラブ・ケミストリー』

GREEN2012tokyouniv01.jpg

 

この向かいには、大学のキャンパスから最寄りのセブンイレブン。作中のコンビニ描写はたぶんココでしょう。まあ、登校の道すがら買ったと考えると他にも選択肢がいくつかあるのですが、文章になっていないところでそれとは別に登場人物たちもきっと利用しているはず、近いし。

>コンビニで買い込んだ食料を手に、気合を入れて実験室のドアを開けた。

喜多喜久『ラブ・ケミストリー』

GREEN2012tokyouniv03.jpg

  • 告白タイム

入ってしばらく行くと、2号館玄関。『ラブ・ケミストリー』の主人公、藤村桂一郎クンが秘書の真下美綾サンに愛の告白をしたところですね。こんな人通りの多いところ、しかもふいに建物の中から知り合いが出てきてもおかしくないところで、告白するとは意外と度胸ありますなー。

>カロンは何の説明もしないまま、僕を二号館の正面玄関に連れてきた。玄関の外には、例の陰気な中央通りが見えている。

>「もうすぐここを、仕事を終えた真下サンが通る」

>(中略)

>「さあ、告白タイムよ」

喜多喜久『ラブ・ケミストリー』

GREEN2012tokyouniv04.jpg

  • 大イチョウの木

さて、前を向くと、大きな大きなイチョウの木がありますよ。菊池明斗クンと辻森スバルさんが、落雷のあと、体と魂が入れ替わってしまう場所ですね。季節によってはギンナンが匂っていますが、これもまた秋の風情というものでしょうか。奥に見える建物が3号館です。

>中央広場のさらに中央には、大イチョウと呼ばれる背の高いイチョウの木がある。

>(中略)

>世界が光に満たされた次の瞬間、轟音が衝撃となって降り注ぐと同時に、突き上げるような激痛が僕を貫いていた。

>あらゆる感覚が、刹那のうちに焼失した。もはや、自分がどういう姿勢を取っているのかさえ分からない。

>頬に硬いものが押し当てられている気配がある。

喜多喜久『猫色ケミストリー』

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  • 学生食堂

「藤村桂一郎クンと同じきつねうどんを食べてネイチャーホルダーへの道をつき進むのか?」

「菊池明斗クンと同じカレーライスを食べてオンナノコのからだでキャッキャウフフするのか?」ヾ(-д-;)ぉぃぉぃ

お昼時を過ぎてお腹は空いていたのですが、どちらにあやかるべきかメニューの前で悩みます。結局、両方を食べてきました。案の定、おなかいっぱいです。

作中ではあんまり美味しそうな描写はされてないのですが、生協のおばちゃんおねえさんの名誉のために補足しておくと、値段相応には美味しかったです。わざわざうどんの味つけを「関東風にする?関西風にする?」と聞いてくださるあたり実際はけっこうよかったですね。というか、こんなサービス、同じ系列の学食どこでもやっていましたっけ?

>三号館は、第二次世界大戦以前に建てられたという年季の入った建物で、都の選定歴史的建造物に指定されているらしい。

>(中略)

>食堂は建物の地下にある。僕は外階段を使って、堀の底のような薄暗い空間に下りた。重い扉を開けて三号館に入り、自販機がずらりと並ぶ一画を通り過ぎると、生協の入口が見えてくる。

>そのまま配膳口に向かい、僕はいつものようにきつねうどんを注文した。

喜多喜久『ラブ・ケミストリー』

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さらに行くと、ありました、配管パイプ。恋の悩みはこちらでどうぞ!?

>手際よく盛られたカレーを受け取り、トレイに載せて食堂ホールに入った。

>(中略)

>一番奥の、配管パイプが垂直に走っている一画に陣取っていた。

喜多喜久『猫色ケミストリー』

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  • 全合成の魅力はここから

いったん外へ出てしばらく行くと、図書館があります。ここで藤村クンみたいに『Classics in Total Synthesis』あたりを読めば、J. Am. Chem. Soc.Angew. Chem. Int. Ed.はもちろんNature級の難関化合物の全合成経路もひらめいちゃうようになるのかなー。あ”っ、自分もう学部生じゃないからここで今さら読んでも、藤村クンには勝てそうもないorz

>そんなある日、図書館で化学雑誌を読んでいた僕に、同級生の男が声をかけてきた。

>「それ、最新号? 何か面白い反応は載ってた?」

>それが、東間との最初の会話だった。

>「ああ、ニコライが出した全合成が載ってるよ」

>(中略)

>東間は表情を変えずに頷いて、「ああ、『THE BIBLE OF TOTAL SYNTHESIS』を書いた人だね」と言った。

喜多喜久『ラブ・ケミストリー』

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  • 最新刊を発見!

3号館に戻って生協に立ち寄ると、ほらっ。書籍コーナーに最新刊の『ラブ・リプレイ』が並んでいますよ。観賞用・保存用・布教用、最低3冊は買わないとね!?…(記者Greenは1冊しか購入していませんが赦してください)

GREEN2012tokyouniv09.jpg

 

  • 報告は以上になりますm(_ _)m

はーい。というわけで、東京大学農学部キャンパス探検レポートでした。八号館っぽいところなど屋内も撮りたかったのですが「関係者以外立ち入り禁止」だったので自重しましたホントは”関係者”なので入ってもいいんですが

同キャンパス弥生講堂で公開シンポジウムをやっていたりもします。キャンパス内の屋外部分は近隣にお住いの方にとって散歩コースにも最適かもしれません。機会あればぜひ訪れてみてくださいね。

 

  • 参考ウェブサイト

東京大学(http://www.u-tokyo.ac.jp/) ウェブサイト

東京大学キャンパスツアー(http://campustour.pr.u-tokyo.ac.jp/) ウェブサイト

 

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静岡で化学を教えています。よろしくお願いします。

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