「留学しています」いうと、「んじゃーもう英語ペラペラなんだねぇ」なんて言われることがあります。
「ペラペラ」ってなんだろう? と思いつつ、「まぁね」的な生ぬるい返事で返すことが多いのですが、実際は英語の調子のいい日と悪い日があったりして、上手く言葉が出てこないこともあったりします。
やはりある程度の年齢になってから海外に行っても、自然に英語が身につくというものではない気がします。
そんなわけで、結局勉強しないとバリエーションは増えなかったりするのですが、今更「英語の勉強って」って思ったりすることも多かったりします。
そんななかでちょこちょこと試行錯誤を続けていて、自分的には効果があるなぁ、と思う方法があったりします。
そんなわけで今回は化学とはまったく関係ありませんが、英語のお手軽な勉強方法に関してぼそぼそと呟こうと思います。
この勉強方法はかなり簡単です。
それは洋楽を聞きながら、それを心のなかで歌うというものです。
音楽が好きな人なら、「そんな簡単なこと?」と思うのではないでしょうか?
そういうと「おれ洋楽好きだけど、英語のリスニングもベシャリも全然出来ないぞ」という人が出てくると思います。この練習方法にはコツがあって、その歌詞を物凄く心を込めて歌うということです。
例えば“your easy loving ain’t pleasing nothing” とかが歌詞にあったとしたら、心から拗ねた感じを自分の心の中にして、この歌詞を口ずさみます。
“So what, we get drunk” とかなら、ものすごい開放的な感じ、”To lead a better life, I need my love to be here”とかなら本当に好きな人にささやいている感じを心に絵描いて口ずさみます。ラップだと歌詞が多くて、難易度が高くなります。また抽象度が高い歌詞は、感情移入がしにくかったりするので、初心者にはおすすめしません。日本語の対訳をよんで、共感できるような歌がよいと思います。(また注意点として、あまりデスメタル系の音楽でこれをやってしまうと、心が病んでしまうおそれがある気がします。)
そうすると、英語を心で覚えるというか、 使いたい肝所のところで、心から単語がでてきたりするのですよね。つまりこういうのが魂のこもった「生きた」英語な気がするのです。
すると「こういう歌詞は文法が杜撰だ」とか「勉強にならない」みたいな反論は当然あるのですが、魂の入っていないで文法が正しい喋り手と、訛っているけど感情がこもっている話し手なら、後者のほうが良いに決まっています。発音やイントネーションに関しても、座学的な正確さは担保されないかもしれませんが、もちろんリズムやメロディーに乗っているので、それでも英語の音の出し方や意味的なフローは、心に臨場感を持っていれば、かなり勉強できると思います。
そしてこの勉強方法のキモは「楽しい」ということと「きちんとアメリカ人の英語から学んでいる」ことです。 好きな音楽も聞いて、生きた英語の言い回しも増えるなんて一石二鳥じゃないですか!後者に関してなのですが日本人というかノンネイティブな人のクセとして、これまで学んだ知識をベースとして、自分で英語を組み立て、話そうとすることが多いと思います。結果として、未熟な文法知識が、その場で反射的に出てくることもなく、「あーあー」言って、何言っているかわからないことになります。ポイントはアメリカ人と同じ目線で話すということです。そういう意味で「なりきって」「感情的に」歌う、この方法は優れているのではないかと自負しております。
おそらくなのですが、これは論文執筆とかの、英語の勉強にも使える気がするのです。書かれている論文を、自分が書いている気持ちになって、「どうやったら読者に理解してもらえるか、何を伝えたいのか?」というのを自分が筆者になりきって、写経する。そんな練習を私現在しておりますので、自分の論文執筆能力に自信がついたらまたぼそぼそと呟こうかなぁと思います。
最後に英語の勉強に限らず、すべての勉強において当てはめられそうな気がするのですが、何かを学びたいとき、その世界に身を投げ、心を捧げる姿勢、こういうのが必要な気がするのです。
そしてそれをするにあたって、より重要になるのが、結果として「何を伝えるか?何になりたいか?」ということな気がします。
英語の「勉強」だけしていてもしょうがなくて、なんの自慢にもならないということです。つまり「男は顔じゃねぇ中身だ!」というわけです。
とはいっても、留学するとしたら、現実問題TOEFLは必要だし、GREのボキャブラリーはよくわからない単語を暗記しなくちゃいけないんですけどね。めんどくさいことはありますが、楽しいことを思い浮かべつつ、ベスト・オブ・ザ・ベスト尽くす男になっていきましょい!