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ノーベル賞化学者に会いに行こう!「リンダウ・ノーベル賞受賞者会議」応募開始

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ドイツの保養地リンダウで毎年開催される、リンダウ・ノーベル賞受賞者会議(Lindau Nobel Laureate Meeting)。多数のノーベル賞学者が一同に会し、科学者の卵たちと交流するという、国際的なアカデミックイベントの一つです。(つぶやきでの紹介記事はこちら

一年ごとに対象分野は変わるのですが、なんと来年度(2013)は化学領域が募集対象です!そして先日、応募要領が公開されました。これは見逃せないチャンスです!!

しかし遠きドイツの地で行われる会合ですし、ご存じない方も多いことでしょう。ですから今回は、リンダウ会議の簡単な紹介、そして魅力をお伝えします!

魅力その①: ノーベル賞化学者と生対面!

 

この会議のためだけに、世界各地から多数のノーベル賞化学者が招待されてきます。その数およそ20人以上。会議の参加者は全部で数百人程度なので、ノーベル賞化学者の占める割合がいかに高いかが分かると思います。

こうなると、ノーベル賞学者がすぐ隣を歩き回るという風景がごく自然なものになります。こんな環境に身を置く経験は、ちょっと他ではできないですよ!

食事タイムでは彼らと同じテーブルに座って、いろいろな話ができるようにもアレンジされています。

 

魅力その②:ノーベル賞化学者の講演を聴く!

 

メインコンテンツの一つは、講演タイム。当然ながらスピーカーはノーベル賞化学者ばかり。聞いたことも見たこともない豪華プログラムです!

内容は純粋化学から、学問からはやや遠い内容の旅行記・哲学、はたまたぶっとび過ぎな講演まで!ノーベル賞化学者といえども、そのキャラクターは十人十色なことがわかります。

詳しくは、こちらの「つぶやき」過去記事を参照ください。

魅力その③: ノーベル賞化学者と魂のディスカッション!

講演のあとには、お気に入りのノーベル賞学者とディスカッションタイム!
研究の話から、日常的な話題まで、魂をぶつけ合う1対多の一問一答が繰り広げられます。ノーベル賞学者の哲学・生き様を生の声で感じ取れる、とても貴重な体験です。

参加者からの問いはシンプルなものも少なくありませんが、やはり非凡な方々たるもの、奥深い答えを様々に返してきます。

詳しくはこちらこちらの過去記事を参照ください。

 

魅力その④ :国家的待遇に感じ入る!

 

研究者として駆け出し未満な若手と言えど、全員が各国からの招待者として扱われます。たとえば会議期間中は、参加証があればバスは乗り放題!ホテルも会議側で用意してくれます。

会期初日のオープニング・セレモニーには、ヨーロッパ各地のVIPも参加します。もてなしのイベントも、クラシックの生演奏、ダンスパーティ、立食パーティなどバラエティ豊か。とても豪華な気分に浸れます。

魅力その⑤: 世界各地の若手化学者と交流!

リンダウ会議の参加者はほとんどが20代。研究者として身を立てていけるかどうか、悩みも少なくない時期でしょう。そんなタイミングで同年代の人々と話してみると、国籍を問わず同じ悩みを持っていることも分かります。しかし一方では、皆ポジティブに取り組んでいることも分かります。

「あ、ココ空いてるかい?キミ、どんな研究やってるの?俺は大気化学だよ」

・・・こんな感じで、たまたま隣に座った他国からの参加者と話が続くことも珍しくありません。何気ないやりとりに見えながら、普段の生活でこんな機会に恵まれることはレアでしょう。

国際色豊かな同年代交流がすぐ傍にある―これがリンダウ会議の魅力の一つです。

 

  魅力その⑥:風光明媚な保養地を楽しむ!

リンダウと、エクスカーションで訪れるボーデン湖、マイナウ島は、ヨーロッパでは人気の避暑地でもあります。その雰囲気は夏の暑い最中、日頃の喧騒を忘れのんびり過ごすにうってつけです。

しかし日本人的な感覚では実のところ、旅の選択肢として上がってきにくい場所ではないでしょうか。

親しい友人たちと誰もがよく知る場所へと出かけてしまう、これも勿論アリです。しかしこういった機会をうまく活用し、他人とは違った価値ある夏を体感してみる―これもまた乙なものですよ。

エクスカーションの詳細は、こちらの過去記事を御覧ください。

魅力その⑦:ウェブ配信で雰囲気を味わおう!

選抜会議という特性上、参加できない方々もたくさん出るわけなのですが、会議側はそのような方々への配慮にも余念がありません。

会議の様子はウェブを通じ、リアルタイム配信される手はずとなっています。

公式ページでの講演ストリーミング配信を始めとして、FacebookページTwitterYoutubeウェブアルバムなどなど、盛りだくさん。雰囲気の一端を感じ取ってみてください。

 

どうやれば参加できる?

リンダウ会議への唯一の参加方法は、日本学術振興会(JSPS)の支援プログラムに応募し、採用されること。ただし日本人枠は15人程度と狭き門です。それでもこの数字に一歩引いてしまうのは勿体無い!数年に一度の機会ですし、積極的な応募をしてみると良いでしょう。

実は筆者もリンダウ会議に参加経験を持つ一人です。ドイツが国家威信をかけて行うイベントだけあって、大変素晴らしい会という印象を持ってい ます。当時一緒に参加した方々とは、今でも交流が続いています。皆さん非常に優秀で、着々とキャリアアップを果たしており、刺激を受けること数えきれません。とても素晴らしい出会いだったと 感じています。

この貴重な機会、お見逃しなく!締め切りは8/15まで!

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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