「極限からの一手」コーナーでは筆者の独断と偏見に基づき、全合成における優れた問題解決とその発想を紹介してみたいと思います。困難に直面した全合成化学者がいかにして創造的発想からの解決に至ったか、それを追体験できるようなクイズ形式にしています。
さて第5回は、Sturmer・Hoffmannによるエリスロノリド類縁体の全合成(1993)について。”脱保護プロブレム”の突飛な解決法を取り上げたいと思います。
本合成では酸性条件に弱い複数の保護基が共存する中で、シクロペンチリデンアセタールのみを選択的に脱保護することが求められた。この目的にて、驚くべきことに2,4,6-トリニトロトルエン(TNT)の添加が効果的であることが見出されている。TNTの役割を説明せよ。
関連書籍
[amazonjs asin=”3527306447″ locale=”JP” title=”Dead Ends and Detours”][amazonjs asin=”B00DXJLDK6″ locale=”JP” title=”More Dead Ends and Detours: En Route to Successful Total Synthesis”]