[スポンサーリンク]

一般的な話題

【速報】Mac OS X Lionにアップグレードしてみた

[スポンサーリンク]

 

昨日7月20日にMacユーザー待望のOS Xがメジャーアップグレードし、LionというOSが発売されました(価格2,600円)。新しもの好きな化学者はすでに導入していることでしょう。しかし、なかにはLeopardからSnow LeopardにOSをアップグレードした時の悲劇を思い出してもいるかもしれません。そうあの時はアップグレードすると、我々化学クラスタが最も日常的に利用するソフトChemDrawの対応が悪かったのです。WordやKeynoteに貼るとマトモに貼れないばかりか全て図になってしまい、再度構造を書き換えたい時に戻すことができず、必ずChemDrawファイルで別にとっておく必要があったのです。(過去記事:Macユーザーに朗報!ChemDrawとWordが相互貼付可能に!)最近になりようやく使えるようになったもののまたアップグレード。そんな過去をしっている化学者の皆さんは今回のLionへのアップグレードも躊躇なさっていると思います。筆者もその一人でした。実は今回はもっとひどく「ChemDrawが動かなくなる」という最悪の事態となると噂されていました。

しかーし!ワタクシ、ケムステ読者様のために人柱となることを決めました。というわけで化学系のMac愛好家の方必見!Mac Os X Lion導入レポート!

(実際はやっぱり怖かったので先月購入したばかりのMacbook Airにまずは導入してみました。)

OSX Lionをダウンロードしよう

lionpicture.png

ほとんどが新規で購入する方だと思いますが、2011年6月6日以降に新しくMacを購入した方は無料でアップグレードできます。8月19日で無料アップグレードはできなくなってしまうので、この期間に購入した方は夏休みにはアップグレードしたほうがよいですよ。筆者はぎりぎり6月6日でしたので無料アップグレードを選びました。今回からは(現在のところは)パッケージ版はなく、すべてアップルオンラインストア(Dockにある)でダウンロードします。ですので、どうしてもApple IDが必要ですし、クレジットカードもしくはitune cardが必要となります。itune cardは日頃から使っている方ならば全く問題ないですが、1000円単位なので3000円分購入しなければなりません。

と手軽な反面、ネット環境が悪い人やクレジットカードなどを持っていない、使いたくない方にはある意味面倒ですが、今回からの良い点は

「合法的に複数台のPCにインストールできること」

です。例えば、筆者の場合無料アップグレード期間でしたので、Macbook AirにOS X Lionをインストールし、その後メインマシンであるMac book Proもインストールしました。ダウンロード/インストールの方法はいつもどおり優しくインストラクションしてくれるのでここでは述べません。但し、ファイルの大きさは3GB近くあるので、通常(何をもって通常かわかりませんが)ダウンロードに1時間程度かかります。また、現在のOS Xを最新のバージョンまで更新しておく必要があります。

 

最大の問題「化学ソフトウェアは使えるのか?」

ここまで引っ張りましたが、タイトルと複数台にインストールしたということでお分かりでしょう。

いまのところ全く問題なく使えます

ChemDrawからKeynote、Word、PowerPointなどに相互コピー&ペーストは通常通り可能です。実はあまり化学系のソフトウェアを持っていないのですが、Gauss viewも問題なく動きました。もちろんevernoteやendnote、FTPソフトも動きます。直前までの悪い噂はなんであったのだろうという感じです。その他化学系ソフトウェアのMac Os X Lionでの動作状況がわかりまねますので、人柱を募集致します。情報があればTwitterやこの記事のコメント欄にコメントをください。

動作環境 (Mac OS X 10.7)

ChemBioDraw Urtra 12.0.3

Word Mac 2011 14.1.2

Keynote’09 5.0.5

 

快適!スマート!

なんといってもMacの良い点は綺麗なところ。少しだけ外観が変わって洗練された感じです。最も変わった点はマウス(トラックパッド)の動かし方。例えば、ウェブを見る際、下に指をスクロールしていたものを、上にスクロールするようになりました。これまでよりも多くのジェスチャーが増え、文字を打つ以外ほとんどマウスを動かさなくてもジェスチャーで対応できます。これは通常のマウスには戻れませんね。あとはAirDropという簡単にファイルを相互交換できる機能が加わりました。範囲はワイヤレスマウスやキーボードが届く範囲ですが、その範囲に別のLion導入済みMacをおいておくとマウスでファイルを動かすだけで簡単にファイルを別のパソコンに移動できます。USBメモリに入れる手間が省ける程度ですが、意外と重宝しそうです。その他にも同じソフトで開いている書類等をまとめてくれるMission Control、ウェブがサクサクみれるようになったという利点もあります。今のところ欠点っぽいのは導入に時間がかかるというぐらいですか。MailはほとんどiPadと同じ操作性になりました。これは好き嫌いがあるかもしれません。

というわけで簡単で申し訳ございませんが、速報でMac OS X導入レポートを行いました。ChemDrawがまともに動いたのでまずは一安心といったところです。上述しましたが、他に問題やよい点があればコメント欄やツイッター@chemstationにコメントください。

【追記】

1. ChemDraw9.0は利用できないそうです。

2. Gauss Viewも古いバージョンはPowerPCアプリケーションのため利用できません(PowerPCアプリケーションを起動するための「Rosetta」機能が廃止されるため)。

3. JEOLのNMRデータ処理ソフトDelta 4.0もPowerPCアプリケーションのため使えません。新しいバージョン(5.0)は動きます。

4.MS Office 2004もPowerPCアプリケーションのため使えません。その結果、Office2004文書に貼り付けしたChemDraw構造式は相互貼付けできなくなりました。

5.SciFinderの構造式検索が現在(2011.7.22)全く利用できません。JAVAプラグイン10.7用を入れると検索する手前まではいけるが、The structure drawing editor is openingでストップしてしまう。現在対応を化学情報協会に確認中。

この現象はSafariのみ。Firefoxは問題なし。Safari5.1が悪いのか?

6. Adobe製品使えるがいくつか使えない機能有。

i) Adobe ReaderプラグインとAcrobatプラグイン(プラグインのみ。これは同時に公開されたSafari 5.1のせい)

ii) マルチタッチジェスチャー一部使えず。今後の対応を期待。

iii)i CS2以前はPowerPCアプリケーションのため使えない。

iv) Photoshop CS5、CS4、CS3で作成されたドロップレットが動作しない

7. Reaxysは対応。

8.結晶構造表示ソフトMercuryは最新版の2.4.5でも起動しないらしい。現在の対応策、VMWare FusiionなどでWindowsを動かし、そこで起動させる。悲しみ。【更に追記】V 2.3にダウングレードすれば利用できるようになるそうです。よかった!

 

 

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 生命が居住できる星の条件
  2. 無水酢酸は麻薬の原料?
  3. 英国王立化学会(RSC)が人材募集中
  4. 健康的なPC作業環境のすすめ
  5. スポットライトリサーチムービー:動画であなたの研究を紹介します
  6. 有機合成化学協会誌2020年11月号:英文版特集号
  7. 光触媒を用いるスピロ環合成法が創薬の未来を明るく照らす
  8. 2007年度ノーベル化学賞を予想!(5)

注目情報

ピックアップ記事

  1. 複雑天然物Communesinの新規類縁体、遺伝子破壊実験により明らかに!
  2. ケムステの記事を導出しています
  3. SDGsと化学: 元素循環からのアプローチ
  4. スコット・ミラー Scott J. Miller
  5. カリウム Potassium 細胞内に多量に含まれる元素
  6. 2002年ノーベル化学賞『生体高分子の画期的分析手法の開発』
  7. 機能を持たせた紙製チップで化学テロに備える ―簡単な操作でサリンやVXを検知できる紙製デバイスの開発―
  8. 世界のエリートが今一番入りたい大学 ミネルバ
  9. 高分子マテリアルズ・インフォマティクスのための分子動力学計算自動化ライブラリ「RadonPy」の概要と使い方
  10. 酵素を模倣した鉄錯体触媒による水溶液中でのメタンからメタノールへの選択的な変換を達成!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年7月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

第12回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・…

新たな有用活性天然物はどのように見つけてくるのか~新規抗真菌剤mandimycinの発見~

こんにちは!熊葛です.天然物は複雑な構造と有用な活性を有することから多くの化学者を魅了し,創薬に貢献…

創薬懇話会2025 in 大津

日時2025年6月19日(木)~6月20日(金)宿泊型セミナー会場ホテル…

理研の研究者が考える未来のバイオ技術とは?

bergです。昨今、環境問題や資源問題の関心の高まりから人工酵素や微生物を利用した化学合成やバイオテ…

水を含み湿度に応答するラメラ構造ポリマー材料の開発

第651回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院工学研究科(大内研究室)の堀池優貴 さんにお願い…

第57回有機金属若手の会 夏の学校

案内:今年度も、有機金属若手の会夏の学校を2泊3日の合宿形式で開催します。有機金…

高用量ビタミンB12がALSに治療効果を発揮する。しかし流通問題も。

2024年11月20日、エーザイ株式会社は、筋萎縮性側索硬化症用剤「ロゼバラミン…

第23回次世代を担う有機化学シンポジウム

「若手研究者が口頭発表する機会や自由闊達にディスカッションする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッ…

ペロブスカイト太陽電池開発におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用

持続可能な社会の実現に向けて、太陽電池は太陽光発電における中心的な要素として注目…

有機合成化学協会誌2025年3月号:チェーンウォーキング・カルコゲン結合・有機電解反応・ロタキサン・配位重合

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年3月号がオンラインで公開されています!…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー