恵方巻とカーボンナノチューブって似てない?
どーも、どくたけです。先日は節分でしたね。節分ということで、どくたけのいる研究室では、恵方巻を食べました。恵方巻をもぐもぐ皆で食べていると、そういえば恵方巻ってカーボンナノチューブに似てるよね?ってそんな気がしてきたので今回はカーボンナノチューブについて書いてみたいと思います(笑)
昔から、炭素の結晶としては、黒鉛やダイヤモンドがよく知られていましたが、1985年に球状構造を有するフラーレンが、米英の科学者により発見されました。余談になりますが、科学界がフラーレンバブルに沸いていた頃、筆者は高校生で、地元の小学校を訪問しては、ストーブの煙突掃除をさせてもらう代わりにそのすすをもらって、そこからフラーレンを単離しようと試みるという何とも変態な高校生でした(苦笑)
さて、話を本題に戻しましょう。カーボンナノチューブは、フラーレンとは全く異なる形状で、1991年に、当時NEC基礎研究所の主席研究員であられた飯島澄男先生によって発見されました。(この辺りの経緯は、有機化学美術館さんの記事に詳しく書いてあるので、そちらも参照ください。)
その発見は、全くの偶然であったと言われています。電子顕微鏡でフラーレンを観察している時に、たまたま見つかった針状の物質、これが後に世界をあっと驚かせることになるカーボンナノチューブの最初の発見だったそうです。「お、これは新しい発見かもしれないぞ?」という意識を常に持っていたからこその発見だったのでしょう。
後にその形状からカーボンナノチューブと命名されたこの物質は、直径0.7~70 nmで長さが、数十μm程度の筒状の形をした結晶で、新素材として多いに期待されています。現在、日本ばかりでなく世界中でその機能開発が盛んに研究されています。そんなカーボンナノチューブの主な合成例としては、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学的気相成長法の3つが挙げられますが、どれも一長一短で、製造コストには問題を抱えていました。
そのような中、日本の技術者、研究者たちが、また一つ偉業を成し遂げました。
ナノチューブ、コスト1000分の1で量産に道 産総研など 1グラム数百円に 車や電機で応用へ
記事の詳細は、日本経済新聞をどうぞ。
こういった開発のおかげで、生産コストが下がれば、さらにカーボンナノチューブを使った機能性材料などの応用研究に弾みがつくのではないでしょうか?
若者の理系離れ、技術の海外離散が叫ばれて久しい今日ですが、昨年の根岸先生、鈴木先生のノーベル化学賞受賞のニュースや、彼谷先生、渡邉先生らによる石油を作り出す藻類の発見のニュースと同様に、素直に嬉しいニュースですね。次代の科学界を担う研究者の一人として、業界全体をフックアップしていけるような研究がしたいものです。
低コストカーボンナノチューブにおかげで、軌道エレベーターの開発にも光明が見えてくるのかなぁ…なんて思うと胸が熱くなるな!
現場からどくたけがお送りしました!