今回紹介したいのは、Chemistry Reference Resolverというサイト。
フォームに主要化学ジャーナルのcitation numberを打ち込むことで、論文配布ページへ直接ジャンプできるサービスです。
え、そんだけ?と思われるかも知れませんが、いやいやこれがメチャクチャ便利なのです。四の五の言わずに、まずは一度お試しを!
面倒な電子論文取得作業を一発解決
学術論文のcitation number検索は、かのGoogle先生ですら苦手としています(最近はかなり改善されているようですが)。それゆえ毎度ジャーナルのトップページを訪れ、検索窓にcitation numberを打ち込み、電子論文をゲットするプロセスを経る羽目になるのですが・・・ああ、なんて面倒な!!
Chemistry Reference Resolverはそこをピンポイントに解決しているサービスで、その快適さといったらありません。ありそうでなかった盲点的サービスといえるでしょう。
以下特徴。
- ジャーナル略称でも検索できます。たとえば「JACS 2010, 13951」のように適当に入力しても、ちゃーんと目的の論文に飛んでくれます。
- 論文に載ってる参考文献番号のままコピペしても、概ね認識してくれます。フォーマットはジャーナル毎に微妙に違いますが、筆者が試した限りNPG形式(例:J. Am. Chem. Soc. 119, 840 (1997))もしくはACS形式(例:J. Am. Chem. Soc., 1997, 119, 840)ならば、どちらもちゃんと検索してくれます。
- ジャーナル名(略称可)だけを打ち込めば、ジャーナルのトップページヘ移動できます。(例:ChemCommunと入力した場合)。
対応ジャーナルや検索形式は今後のアップデートで対応していくそうですが、現状でも十分に使える優れものです。先端化学に身を置く読者の皆さんなら、ブックマーク必須でしょう!
ホームページに検索窓を設置する方法
Chemistry Reference Resolverは、研究現場のニーズをよく理解して作られている印象です。それもそのはず、サイトの作者Oleksandr Zhurakovsky氏は、オックスフォード大学の院生(2014年現在 Harvard大学 博士研究員)であり、現役バリバリの合成化学者なのです。
筆者は作者のZhurakovsky氏にコンタクトを取ってみました。
「凄いサービスだからChem-Stationを通じて、日本の化学者に紹介したいのですが」と尋ねたところ、すぐさま快諾の返事をいただくことができました。
せっかくなのでもう少し、「ホームページやブログに設置できると便利に思います。もしよければ、やり方を教えて欲しいのですが」と厚かましくも尋ねてみました。するとなんとも親切なことに、「検索フォーム設置キット」を作ってくださいました!やりかたはとても簡単で、widget.htmのスクリプトを、ページの好きな場所に貼り付ければOK。見た目は↓のような感じになります。
現在では公式ページから配布されていますので、化学系ホームページの管理者様は、是非ご自分のサイトのトップページに設置されてはいかがでしょう。とても便利に使えること請け合いです! 設置に際しての注意は以下のとおり。
※ 検索窓の隣に必ずChemistry Reference Resolver(chemsearch.kovsky.net)へのリンクを張ること。
※ Creative Commons3.0のガイドラインに従うこと、営利目的に使用しないこと。
設置は誰でも自由にしてもらってOKという話ですが、「設置したよ!」というメールをzhorakovsky[at]gmail.comまでもらえると、管理のモチベーションになって嬉しいそうです。
使ってみて便利に感じたら、ぜひとも作者様に感謝のメールを送ってさしあげましょう!
関連リンク
- Chemistry Reference Resolverの作者・Oleksandr Zhurakovsky氏のブログ, Twitter (@zhorakovsky)
- Article Locator 同じことができるサービスですが、対応ジャーナルの範囲はより広いです。