[スポンサーリンク]

一般的な話題

Scifinderが実験項情報閲覧可能に!

[スポンサーリンク]

 

最近、科学研究には必須のSciFinderがWeb版になってからバージョンアップが甚だしく行われています。対抗相手のReaxysががんばっているせいなのかわかりませんが、ユーザーとしては切磋琢磨して研究を加速するためのツールとして発展を遂げていってほしいものです。

というわけで、以前よりWeb版への移行を促していたScifinderですが、どうやら確定ではないですが来年の春から夏ほどにかけてクライアント版(ソフトウェアのもの)のデータ提供が停止するようです。そういう意味でも、最近のSciFinderWeb版ではWeb版にしか存在しない機能が続々と搭載されはじめています。筆者も含めてそろそろWeb版になれないといけないなあと思う今日この頃ですが、ふと検索していたときに文献に実験項情報が掲載されているものがあることに気づきました。


scifinder_exp1.png
実験項情報が掲載されているScifinderWeb版

調べてみたところ、本月からのバージョンアップでWeb版のみ掲載されるようになった模様。実際に掲載されているのは「2005年から2009年までにACS(アメリカ化学会)により発行された雑誌6種(J. Am. Chem. Soc. J. Med. Chem, J. Org. Chem. Org. Lett, Org. Proc. Res. Dev. Organomet)のみ」らしいですが、雑誌を見なくてもその化合物の実験項をすぐに見ることができるのはなかなか良い機能だと思います。

ただ、

1. 実は古い文献の方が、今とフォーマットが異なっているので実験項を探すのが困難だった
2. ラボであまり見ることができないマイナーな雑誌の実験項がすぐに見れたらよいな

と、贅沢をいってみたりしますが、とりあえずこのような第一歩としては素晴らしいことだと思います。なお、お探しの反応群の実験項情報有無は、右側のAnalysisボックスで、[Experimental Procedure] でソートすれば絞り込むことができます。

筆者がさらに惹かれたのは

特許情報の実験項も見れるようになった!

ということです。特許の実験項がどこまで信用できるかどうかは誰でもご存知であることと思いますが、それでも確認しなくてはいけないときは多いと思います。しかしながら、中には数百ページもある文字の羅列の特許情報の中から1つの実験項を探すのは骨が折れます。そういう手間を省いてくれると考えたら、いやーこれは重宝する機能ではないでしょうか。
ただしこれも現在「2005年から2009年までに報告されたUS,EP,PCT特許のみ」であるそうです。すべての年代対応になれば、研究を加速することは間違い無しのツールだと思います。
お試しあれ!

 

外部リンク

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. CO2の資源利用を目指した新たなプラスチック合成法
  2. 「重曹でお掃除」の化学(その1)
  3. ライトケミカル工業2025卒採用情報
  4. クロタミトンのはなし 古くて新しいその機構
  5. 学術変革領域研究(A) 「デジタル有機合成」発足とキックオフシン…
  6. 東京化成工業がケムステVシンポに協賛しました
  7. 共役はなぜ起こる?
  8. 第3のエネルギー伝達手段(MTT)により化学プラントのデザインを…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 澤本 光男 Mitsuo Sawamoto
  2. ポンコツ博士の海外奮闘録⑪ 〜博士,データをとる〜
  3. 触媒表面の化学反応をナノレベルでマッピング
  4. 株式会社メカノクロス – メカノケミストリーの社会実装に向けた企業の設立
  5. “関節技”でグリコシル化を極める!
  6. 水素化リチウムアルミニウム Lithium Alminum Hydride (LAH)
  7. 第100回有機合成シンポジウム記念特別講演会に行ってきました
  8. 窒素固定をめぐって-2
  9. 【Spiber】新卒・中途採用情報
  10. トコジラミの話 最新の状況まとめ(2023年版)

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2010年12月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

硫黄と別れてもリンカーが束縛する!曲がったπ共役分子の構築

紫外光による脱硫反応を利用することで、本来は平面であるはずのペリレンビスイミド骨格を歪ませることに成…

有機合成化学協会誌2024年11月号:英文特集号

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年11月号がオンライン公開されています。…

小型でも妥協なし!幅広い化合物をサチレーションフリーのELSDで検出

UV吸収のない化合物を精製する際、一定量でフラクションをすべて収集し、TLCで呈色試…

第48回ケムステVシンポ「ペプチド創薬のフロントランナーズ」を開催します!

いよいよ本年もあと僅かとなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。冬…

3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール–アルキル化反応

アルケンの位置選択的なアリール–アルキル化反応が報告された。ラジカルソーティングを用いた三種類のラジ…

【日産化学 26卒/Zoomウェビナー配信!】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 キャリアマッチングLIVE

3日間で10領域の研究職社員がプレゼンテーション!日産化学の全研究領域を公開する、研…

ミトコンドリア内タンパク質を分解する標的タンパク質分解技術「mitoTPD」の開発

第 631 回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院 生命科学研究科 修士課程2…

永木愛一郎 Aiichiro Nagaki

永木愛一郎(1973年1月23日-)は、日本の化学者である。現在北海道大学大学院理学研究院化学部…

11/16(土)Zoom開催 【10:30~博士課程×女性のキャリア】 【14:00~富士フイルム・レゾナック 女子学生のためのセミナー】

化学系の就職活動を支援する『化学系学生のための就活』からのご案内です。11/16…

KISTEC教育講座『中間水コンセプトによるバイオ・医療材料開発』 ~水・生体環境下で優れた機能を発揮させるための材料・表面・デバイス設計~

 開講期間 令和6年12月10日(火)、11日(水)詳細・お申し込みはこちら2 コースの…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP