(写真は、学会のメイン会場であるヒルトンハワイアンビレッジ)
どくたけによるPACIFICHEM体験記第2弾!前回の記事の続きです!
今回も徒然なるままに書いていこうと思います。
さて、無事に(?)自分の講演をやりきったどくたけは翌日、
早速お目当ての研究者の講演を拝聴しに意気揚々と会場へ向かいました。
しかしながらこのPACIFICHEM、相当の過密スケジュールなのかなんなのか、1番早い講演が何とAM7:30から始まります(苦笑)さすがにこの時間のセッションには間に合いませんでした。自分が早朝のセッションじゃなくてほんと良かったー…なんて。とか何とか考えてるうちに会場に到着。午前のお目当ての会場は”Metal Catalysis for Asymmetric Synthesis”、本会場での全ての講演の感想を述べるのは大変なので割愛しますが、やはり何と言っても(あくまで個人的ですが)お目当ては金井求先生と、小笠原正道先生です。
金井先生のご講演を拝聴するのは、万有シンポジウム以来だったのですが、やはり金井研の研究から受ける印象は群を抜いて鮮やかです。講演の内容は、Cu触媒を用いた不斉四級炭素の構築と新規配位子の開発が主だったようですが、その独自の触媒の設計と開発、生み出された反応の力量は金井先生の卓越した先見的な思想の賜物と感じました。
さて、昨日の疲れもあってか、英語の講演を聞いているとうとうとしてしまいましたが、眠い目をこすって小笠原先生の講演を拝聴しました。講演の内容は、眠気も吹き飛ぶ洗練されたケミストリー、Pd触媒による軸不斉光学活性アレンの合成とその天然物への応用でした。この分野で他の追随を許さない感じのする軸不正アレン界のフロントランナーである小笠原先生は、DeBuPHOS(=デブホス)という名前の新規配位子の開発でも有名です。
デブって(笑)
と筆者は率直に思いました。同じような感想をお持ちになった読者の方もおられると思いますが、この独特のユニークな名前の配位子は、(正式名称は失念しましたが)Deca-tBu-phosphineの略称でDeBuPHOSだそうです。本当にデブっぽい(=大きい、かさ高い)構造にちなんで名付けられたんだそうです。その話の真偽はともかくも、相当にかさ高い配位子ですね。筆者が別の機会に小笠原先生の日本語の講演を拝聴した際には、この配位子のデブ的な(笑)特徴についてもお話しされていました。
図:DeBuPHOSの構造
(おもしろい名前の配位子の話は、過去記事:「ユニークな名前を持つ配位子」にもあります)
午後も引き続き、同セッションを拝聴しました。全ての感想を述べる事は出来ませんが、ただ一つ言える事は、White教授は美しいということでした(ノ∀`)(照)講演内容は、まさに畳み掛けるといったような感じで、圧倒されてしまいました。ちなみに、White教授の講演の様子(PACIFICHEM2010ではありませんが)は、気ままに有機化学さんの過去記事:今秋のACSの講演をオンラインで見よう!で拝聴することが出来ます。目見麗しいそのご尊顔に引けを取らない、White教授のしなやかで美しい化学を拝聴してみてはいかがでしょうか?
話が色々な所に飛び火しましたが、今回はこの辺でm(_ _)m
まだまだ続きます!