[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

SciFinderマイスター決定!

[スポンサーリンク]

皆さんおなじみのSciFinderを日本で取り扱っている化学情報協会。ご存じの方はいるかもしれませんが、筆者は以前インタビューを受けたため、近頃何の化学雑誌を見ても筆者の顔が載っていて気恥ずかしい思いでした(苦笑)。それでも結構メールをいただいたり、ケムステを知らない方にも訪問していただいたり(特に専門が有機化学以外の方々)ある一定の効果があったと思われます。

ところで、以前このつぶやきでもお知らせしましたが、「SciFinderマイスター」なるSciFinderのプロフェッショナルに贈呈する賞があったのをご存知でしょうか(参考記事:目指せ!! SciFinderマイスター)。その今年のSciFinderマイスターが先日ついに決定されました。


厳選なる審査の結果、以下の2名が決定したようです。(詳しくはこちら)

チッソ石油化学株式会社五井研究所 小松利喜氏
昭和電工株式会社研究開発センター 高 仁子氏

この募集は面白い、玄人向けな、いや実はかなり使える検索方法例を募集していて、小松氏は「文献情報と一緒に化学構造を印刷・保存する方法」、高氏は「非特定誘導体の除去方法」 「単原子フラグメントのみの化合物の除外方法」での受賞だそうです。折角のデータベースを持っていても使えこなせなければ宝の持ち腐れ。いまさらですが、この高度情報化時代、今後一層

「多量の情報から、欲しい情報だけをピックアップする能力」

が必要となり、データベース検索技術者(サーチャー)が憧れの職業となるやもしれません。

 

少し、話はズレましたが、化学者といえどウェブやSciFinderなどのデータベースから最小時間で情報を得ることが重要となります。そんな情報化時代を象徴したような賞ですね。それにも関わらず、もっともよく使う大学関係者(教員、学生)が受賞されていないのが残念でした。もし次回があれば(あるかわかりませんが)、恥ずかしがらずにチャレンジしてみてください。図書券1万円分とインタビューも受けることができますよ。
とわいえど、基本的使い方も、実はこんなの検索してみたいんだけどわからない!という場合は、先輩に聞く、考えてみるとかよりも先に速攻、化学情報協会のヘルプデスクに連絡してみてください。

メールでも翌日までに電話では何でも丁寧に教えてくれますよ。実は意外に知らないことってたくさんあるんです。筆者もこないだ訪問していただいた化学情報協会の方にいくつか裏テクニックを聞きましたが、実は表ですら知らなかったという現状でした。近いうちに意外と知らない”表テクニック”を紹介できたらと思います。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”0470712473″ locale=”JP” title=”Information Retrieval: SciFinder”]
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 緑膿菌の代謝産物をヒトの薬剤に
  2. 化学研究ライフハック:化学検索ツールをあなたのブラウザに
  3. BASFとはどんな会社?-1
  4. レビュー多くてもよくね?
  5. 研究者のためのCG作成術④(レンダリング編)
  6. ビシナルジハライドテルペノイドの高効率全合成
  7. イグ・ノーベル賞の世界展に行ってきました
  8. 第17回ケムステVシンポ『未来を拓く多彩な色素材料』を開催します…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 信越化学1四半期決算…自動車や電気向け好調で増収増益
  2. 有機合成化学協会誌2023年1月号:[1,3]-アルコキシ転位・クロロシラン・インシリコ技術・マイトトキシン・MOF
  3. 水素水業界、国民生活センターと全面対決 「断じて納得できません」
  4. 超小型シリンジ開発 盛岡の企業
  5. アンモニアの安全性あれこれ
  6. 夏休みのおでかけに最適! 化学にまつわる博物館5選 ~2024年版~
  7. ケミストリ・ソングス【Part1】
  8. 2つのアシロイン縮合
  9. 徒然なるままにセンター試験を解いてみた(2018年版)
  10. 不安定さが取り柄!1,2,3-シクロヘキサトリエンの多彩な反応

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2010年8月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

人工光合成の方法で有機合成反応を実現

第653回のスポットライトリサーチは、名古屋大学 学際統合物質科学研究機構 野依特別研究室 (斎藤研…

乙卯研究所 2025年度下期 研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

次世代の二次元物質 遷移金属ダイカルコゲナイド

ムーアの法則の限界と二次元半導体現代の半導体デバイス産業では、作製時の低コスト化や動作速度向上、…

日本化学連合シンポジウム 「海」- 化学はどこに向かうのか –

日本化学連合では、継続性のあるシリーズ型のシンポジウムの開催を企画していくことに…

【スポットライトリサーチ】汎用金属粉を使ってアンモニアが合成できたはなし

Tshozoです。 今回はおなじみ、東京大学大学院 西林研究室からの研究成果紹介(第652回スポ…

第11回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー…

第12回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・…

新たな有用活性天然物はどのように見つけてくるのか~新規抗真菌剤mandimycinの発見~

こんにちは!熊葛です.天然物は複雑な構造と有用な活性を有することから多くの化学者を魅了し,創薬に貢献…

創薬懇話会2025 in 大津

日時2025年6月19日(木)~6月20日(金)宿泊型セミナー会場ホテル…

理研の研究者が考える未来のバイオ技術とは?

bergです。昨今、環境問題や資源問題の関心の高まりから人工酵素や微生物を利用した化学合成やバイオテ…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー