近頃はどこの研究室でも自前のホームページを持つことが普通になりました。
ウェブサイトを研究アピールの場としてうまく使うことができれば強力です。特に次世代を担う若者たちは、「まずウェブからはじめる」のがもはやノーマルな感覚です。彼らを化学の世界に引き込んで未来の化学を盛り立てていくためにも、しっかりしたウェブサイトを構築し、質の高い情報発信をしていくことが重要です。
しかし化学者はWebアピールにまだまだ不慣れなせいか、研究室によって意識格差がかなりあるようです。ホームページ作成ソフトの使い方やHTML記法を学ばなくてはならず、キレイなものを作るのはやはりそれなりの経験とセンスが必要になるという避けがたいハードルもあるでしょう。
しかしラボのアピールのために受け取り手に優しいホームページをつくる、というだけでよければ、そこまで難しいものは必要ありません。いくつかのポイントを押さえて作ればそれでOKなのです。
今回の記事では、そういった化学系ラボのホームページ作成に際し、押さえておくべき基本事項を筆者の独断と偏見に基づき紹介してみようと思います。
化学に限らず「うちのホームページをどういうふうにして良いかわからんぜ」・・・とお悩みの方は、是非参考にしてみてください。
化学系ラボのホームページの読者って、どんな人達?
ラボで自前ホームページを作る目的は「ラボに興味を持ってくれた方々に、効果的な情報提供とアピールを行うこと」につきます。つまり【ウェブサイト=ラボのプレゼンテーション】と考えてもらって差し支えありません。
プレゼンですから、やはり「ストレス無く理解が進むよう、閲覧者のことを考えながらサイトのレイアウトを組む」ことが肝要です。しかし「誰がラボのホームページを見ているのか?」が分からないと、うまく行きません。プレゼンは対象読者ありきなものです。
ラボのホームページで出来が良くないものの多くは、この「想定読者」をそもそも掴み損ねているようです。 しかしWebサイトの運営経験が無い人には、これには全く想像がつかないことでしょう。だから、ここで答えを教えちゃいます!
化学系ラボのウェブサイトの場合、閲覧者の95%以上は以下のどれかにカテゴライズされます。筆者の感覚と経験、またアクセス解析に基づく結論です。
①ラボへの在籍志望がある学部生・院生・ポスドク
②研究内容や雰囲気に興味を持った同業者(教員・プロ研究員・他ラボのメンバー)
③研究概要とトレンドを大雑把に知りたいメディアなど(ジャーナリスト・雑誌編集者・営業マン etc)
④ラボのOB/OG
Yahooニュースに何度も登場するような超有名ラボ(たとえば山中伸弥ラボなど)であれば、不特定多数アクセスも相当に多くなるでしょうが、それはむしろ例外的存在かと思えます。普通規模のラボであれば、①~④以外の人が気まぐれでウェブサイトを訪れることなど事実上ない、と思って差し支えありません。世の中そんなにヒマじゃない、ってことです(笑)
要するに「①~④を想定読者として、彼らに上手く情報提供できているものが、研究室のウェブサイトとしては優れている」ということなのです。
どんなコンテンツを載せるべきか?
ホームページには、見やすさやカッコいいレイアウトなども確かに重要です。しかし【ウェブサイト=プレゼン】という観点からすれば、やはり内容(コンテンツ)こそが最重要なものといえます。
筆者は化学系ラボのホームページを国内外問わず多数巡回してきましたが、公開コンテンツにはある程度お決まりのパターンがあるようです。
以下、優先度別にまとめて記してみましょう。
絶対に載せなければならない項目
<メンバー一覧表>
ラボによってはスタッフ以外をそれほど重要と考えてないためか、「ポスドクX名、学生Y名」といった情報開示にとどまっているところがあります。メンバー
構成を一切明かしてないラボもありますが、これでは内情がほとんどわかりません。閲覧側、特に①研究室配属を控えた右も左も分からない学生にとっては、これは不安要素以外の何でもありません。学生をひきつけるサイトづくりという観点では、プラスにはならないように思われます。
また、今は研究者の名前さえ分かれば、Google検索などですぐ関連情報が調べられる時代になっています。画像検索も充実してきました。論文だけではわからない「研究者の顔・写真」が検索で見えると、やはりどことなく親しみが湧くものです。
これはすなわち、論文・講演を基点としたWEB検索を通じて、研究者個人の存在を印象付けることができるようになったということに他なりません。こういうインフラがすでに存在している状況にあっては、過度の情報秘匿はむしろマイナスに働くと感じられます。ホームページというのは、現状それほどの発信力を持つメディアなのです。ラボメンバーの情報が検索エンジンに引っかかることは、すなわち世界規模でのアピールに直結している、と捉えるぐらいがむしろバランスの良い感覚ではないでしょうか。こういった点で日本のラボは閉鎖的なところが多く、なんとも残念に思われます。
さてこのように【Web検索を通じて研究者を印象付ける】という観点から、メンバー一覧表コンテンツを見てみます。
世界で生き残るべく顔と名前を売らなくてはならないメンバー、すなわちラボのマネージメントスタッフ陣(教授・准教授・講師・助教)は、各種プロフィール(顔写真・連絡先・メールアドレス・履歴・論文リスト)をホームページ上で公開するのが紛れもなく得策です。論文著者名などで検索してたどり着く人は確実にいますので、公開しておくほうが確実にメリットがあります。
研究者用Webプロフィールは、今ではPublication Listを含んだものが割と簡単に作れるようになっています。筆者の知る限りもっとも優れたやり方は、文献管理ソフトMendeleyを使う方法だと思われます。MendeleyのMy Publication、プロフィールデータはWebと同期できるようになっています。ラボのホームページにMendeley ProfileのHTMLコード(下図)を埋めこんでおけば、Mendeleyプロフィールへとリンクが貼られます。自著論文の管理もでき、なおかつ連動したWebプロフィールも構築できるという一石二鳥の方法です。一度試してみてはいかがでしょう。
スタッフ以外の構成メンバー(学生、研究補助員、ポスドク、秘書など)の情報公開に際しては、メンバー個々人の希望に配慮するのが適切だと思えます。日本はプライバシーに関して大変敏感な風土ですから、個人情報公開に抵抗を持つ人も少なくありません。特に女性の場合、ストーカーの標的になったりする危険性もあるので、顔写真と連絡先を載せることがマイナスに働くことも残念ながらあるようです。
とはいえポスドク程度のindependent researcherに近い身分だと、自己アピールが就職活動に直結していく側面あるようです。publication listとメールアドレス程度の情報開示をしておくのは、全く悪くないことと思えます。
またこれは筆者個人の意見ですが、「次代の学生は、博士在籍中から積極的に顔と名前を売るよう心がける」ことをオススメします。
大御所先生の打ち出したケミストリーの継続で残りの研究者人生を過ごせた時代は、どうやら終わりつつある感じです。日本の化学レベルは一昔前に比べて大変向上しました。現代のハイレベル日本人研究者たちは、「大御所先生のところできっちりやった」ということよりも、むしろ「こいつはどういうことができる研究者なのか?」――いわゆる”研究者の顔が見える”ことを重視して、評価を下す人が増えたようにも感じます。
ちなみにそんな評価意識は欧米では当たり前に存在しています。若いうちから自分を売るべく、博士課程の学生でも友達ヅテで講演行脚をしたり、独立への意識を育み始めるのもまたよくある感覚です。
日本でも若いうちのオリジナリティを求められる雰囲気が強くなっているとすれば、最善のアピール方式が欧米式に近づいていくのも必然かと思えます。
山本尚ラボのホームページNews欄では、実際に仕事に携わった人の顔写真も論文と一緒に紹介しています。これは実際に手を動かしたメンバーを尊重し、かつ個々人のアピールにも一役買うという、とても素晴らしいやり方だと思います。
<研究概要>
このコンテンツに関しては、実に研究発表プレゼンにおけるノウハウがそのまま使えます。筆者の見る限りですが、出来の良いホームページを持っているラボと、PIのプレゼンテーションに関する意識の間には、高い相関があるように思えます。
もちろん想定読者を考える必要がありますが、ここでは①志望者 ②同業者 ③メディアに伝えることを想定して書くことが最重要です。④OB/OGはもともと内情を良く知ってる人たちなので、そこまで考慮しなくても問題ありません。
より具体的には、「なるべくわかりやすく書く」「重要なことを最初に列挙する」「長文は避ける」のがポイントになります。これに加えて「研究室の独自性」―すなわち他研究室と一線を画する点を書ければベターです。
化学系ラボでは化学構造式をふんだんに使うことを推奨します。読者が長い文章を読まなくても済むばかりか、英語版を作る時に楽できるという現実的メリットもあるのです。もし可能であればYoutubeやSlideshareなどのサービスを利用し、視覚に訴える動画やスライドなどを埋め込んでみるのもアリでしょう。
さて、上で述べたことは至極当り前に見えますが、これがちゃんとできている国内ラボのウェブサイトは驚くほど少ないです。
おそらく現場の研究者が一生懸命作っている、というのが一因としてあるように思われます。
研究者という人種は厳密さにこだわり、膨大な研究蓄積を主張しようとする傾向があります。この姿勢はえてして情報過多・過密を引き起こしてしまいがちです。
しかし実際の読者が求めるのは、そういった意識とはかけ離れたものなのです。例えば②同業者の場合、詳細は原著論文を当たれば良いと考えるものです。忙しいウェブサーファーたる①③の場合、長々とした研究説明文など、あっても誰も読もうとしません。
自分自身が他分野のWebサイトを閲覧するとき、どうしているか一度振り返ってみてください。
こういう風に日常のウェブサーフィンが行われているのは、ほぼ自明ではないでしょうか?
<発表論文リスト>
ラボのアイデンティティとアクティビティを示すために、なくてはならないコンテンツです。
この項目の想定読者は、①志望者 ②同業者 ④OB/OGです。③メディアは先端的部分の入り組んだところには、実のところそれほど興味はないようです。
ここでは訪問者が電子ジャーナルにアクセスするのを助けるため、DOIコードでのパーマネントリンクを論文ごとに貼っておくのが良いでしょう。
発表論文のPDFを公開しているラボもたまにあるようですが、著作権の問題には注意しておく必要があります。論文の著作権は、公開時にジャーナル側に委嘱されてしまうことが多いです。論文PDFをウェブサーバにアップロードし、無許可で全世界に公開する行為はNGです。注意しておきましょう。(もちろんジャーナル側の許可があれば、この限りではありません。)
<連絡先>
ラボに興味を持った人が連絡を取るために必須です。実務的な意味合いからも、載せておかないと困るものでしょう。住所・教授のメールアドレス・電話番号・Web管理人のメールアドレスを載せておくのがスタンダードです。
メールアドレス公開に際しては、スパムロボットやウィルスメールの餌食にならないための工夫が必要です。mailto:などで直にハイパーリンクを貼るのは避けるのが無難です。@マークを日本語全角フォントに変えたり、xxxx[at]yyyy.ac.jpなどという形で書き換えておくという対策が現在では良く見られます。
しかしながら、分かりやすい場所に載せてくれてないページが本当に多くて困ります。できるかぎり目立つ場所に書いておいて欲しいものです。
<英語版のページ>
アカデミアの化学系ラボなら、これは絶対に作成しておくべきものです。
化学研究は日本人だけで行われているわけではありません。英語論文を目にしてラボに興味を持ち、ホームページを参照しようとする外国人は必ずいるのです。
何よりインターネットは、ワールドワイドに情報発信が可能なメディアなのです。英語版を作ってこそ、ホームページの威力が最大限に発揮されるといって良いでしょう。
しかしそこは英語の苦手な日本人、ちゃんとした英語版ページを作っている研究室も実に少ない・・・。全文英訳がどうしても大変ならば、トップページ・研究概要・メンバー表・発表論文リストだけを英語化するぐらいでも、とりあえずはOKでしょう。
載せると差がつく+α項目
<スケジュール表>
セミナーのスケジュールをプリンタブルなPDFでつくって配布する、ということをやっているラボは多いです。基本的にはラボメンバーだけが必要とし、内部共有すれば十分なものですが、公開して問題ない程度のスケジュールであれば、いっそのことWebベースで作ってしまうと便利です。ラボの年間スケジュールが分かれば、①志望学生たちにとっても、研究室選びの参考になるでしょう。
Googleカレンダーはその点で大変優れたサービスだと思います。
ホームページに埋め込んでおけばブラウザだけでいつでもどこでも参照できますし、iPhoneなどのスマートフォンと同期もできるので、本当に便利です。
Googleカレンダーを実装している化学系ラボは、最近になって徐々に増えてきつつあるようです(Karl Scheidt研での実施例)。
<写真集/ギャラリー>
写真集はラボの雰囲気を伝える最も効果的な方法の一つです。やはりメンバーが生き生きとした顔で過ごしている研究室に行きたくなる、というのはこれ人情というものでしょう。
①志望学生 ②同年代の他研究室メンバーなんかが相当に見ているコンテンツのようです。④OB/OGたちも、発表論文リストに加えて写真集を本当に良く見る傾向があるようです。
可能ならばWeb2.0サービスを使ってつくる方が、レイアウトの自由度は高くなりますし、カッコいいものが作れます。先鞭であるFlickrやPicasa WebAlbumは素晴らしいので、是非トライしてみてください。
<メンバーによるブログ・Twitter>
アーリーアダプターの多い情報工学系ラボでは割と導入されていますが、化学系はやはりそこら辺ウィークネスがあるようで、ブログやTwitterをうまく 使えている研究室はまだまだ少ないようです。
若干研究の本筋と外れてしまう面もあるのでムリして実装する必要はないかも知れませんが、更新情報や発表論文情報を流すのに役立つサービスなのは間違いありません。
Twitterは書き込みのハードルも低く、ラボメンバーのつぶやきをホームページに載せるだけでホームページが動的な感じになり、研究室の雰囲気も伝わりやすくなります。
Twitterの実装に抵抗がある理由として「どういうことを書いて良いのかわからない」「失言が恐ろしい、とくに大御所先生の機嫌を損ねるのが怖い」という話を耳にしてもいます。確かに狭い世界ですし、気持ちはわからなくもないのですが、常識的な範囲で書く限り、そこまで過敏になることもないのでは?というのが筆者個人の意見ですが・・・強力なアピール手法をそうやってみすみす放棄してしまうのは、むしろもったいないんじゃないの、と感じます。
是非落しどころを見つけて、うまく使う方法を模索してみてはいかがでしょう。
<OB・OGの就職先・進路>
これは①志望学生/ポスドクにとって、とても参考になる資料です。先行き不安なラボには、やはり一歩引いてしまうという心理は誰しもあるものです。このような情報を公開しておけば、あとで「話が違う」となることも減りますし、フェアな姿勢のラボと印象付けることも可能ではないかと思われます。
研究進捗発表会で使われた資料は、もちろんトップシークレットで公開はできません。しかしどこのラボでもやっているはずでしょう、雑誌会・輪読会・文献紹介セミナーで使った資料はどうでしょうか?原則としてすでに論文として公開された内容ばかりですから、機密に触れることもありません。
最先端の知識を学ぶ研究生達が、特定のテーマに沿って研究内容を簡潔にまとめてあるものを公開することは、周りの啓蒙・教育という観点からも意義深い営みです。そういう形で情報発信に取り組もうとしている化学系ラボは、国内外問わず徐々に増えつつあるようです。(ChemPortさんの右下に一覧表があるのでご参照ください)。
しかしそれでも「まだまだ多くないなあ・・・」というのが筆者の実感です。このあたり「うちのラボが作った資料なんて、世界公開に堪えるレベルじゃないのでは・・・」と、どこかしら尻込みしてしまっている現実もあるのではないでしょうか。謙虚さを美徳とする日本人的気質が災いしてしまっているのでしょう。
これは逆に考えたほうがいいと思います。つまり「やっているラボが少ない今こそ、人と違うことをやってみたほうがアピールになって良いのだ」ということです。
またセミナー資料のWeb公開を課すことで、ある程度の教育的効果も期待できます。つまり「最初から公開に堪えるクオリティで、プレゼン資料の作成を目指させる」ということです。こういうふうにラボが要求する水準を分かりやすい形で示すことは、セミナーのレベルを継続的に向上させていくためにも重要かと思えます。とはいえ確かに、ある程度ハイレベルな学生がいるラボでなければ、現実的に機能しないとも思われますし、学生たち自身にとってもキツイ縛りかもしれませんが。教育重視のラボはぜひトライしてみてはいかがでしょう。
<ジョーク動画・イラストなど>
探してみると異常にクオリティ高い創作物はちらほらあるようで、狭い世界なのも手伝って各所で評判になるようです。
例えば故Keith Fagnou研ウェブサイトでは、パロディJACS文書(PDF)とStarWarsのパロディムービーが公開されています。
Stuart Schreiber研ウェブサイトでは、ユーモアたっぷりのホームパーティの告知イラストを見る事ができます。
伊丹研究室のサイトでは学生自作のプロモーションビデオが公開されています。
なかなかに技術とセンスが問われるので、どこの誰でも公開できる、というわけではなさそうです。しかしそういうのが得意な学生、ラボに一人や二人はいるのでは?そんな彼らにお願いしてみるのはどうでしょうか(笑)
<リンク集>
これは絶対必要なものとは思いません。あまり読者の印象に残らないコンテンツです。見る人はせいぜい②同業者と④OB/OGの一部で、意外に多くありません。普通の人は、直接GoogleなりYahooなりで検索して、目的のサイトに飛んでいくことが今は多くなっているのです。
どうしても作りたいというのであれば、ラボのメンバーが知っておくべきサイトや、研究に役立つリソース集なんかを、リンク集としてまとめておくと良いでしょう。研究をスムーズにするのに一役買うので、何気に便利だったりします。
このChem-Stationも多くの化学系ラボからリンクいただいており、全くありがたいことです。
まとめ
ほとんどのラボは、プロのウェブデザイナーにサイトを作ってもらえるわけではありません。細かいところまで凝ったサイトを作ろうとするよりは、基本を押さえたものにするのが一番かと思われます。
繰り返しになりますが、大原則は【ウェブサイトは、ラボのプレゼンテーションである】ということです。
そして情報発信にあたって気をつけることは【想定読者①~④に配慮した情報発信形式にする】ということ。その上で
「見やすいレイアウトで、どこに何があるのか一目でわかる」
「目的の情報までなるべく少ないクリック数で飛べる」
レイアウトにできればベターです。
要するに「見に来てくれた人が、気持ちよく情報を拾ってくれるサイトにしよう」ということに尽きます。
特に①志望学生たちに分かるように作るというのは、現実的観点からも大変重要です。
今どきの学生は、研究室配属前にホームページを必ずチェックしてきます。ある面で人生に関わることですから、相当読み込んでから配属希望を出してくる学生も少なくありません。研究どうこう以前にホームページが整備されてないと得られる情報が減ってしまうので、良いラボかどうかを学生側が判断しづらくなってしまいます。
「ラボのことが知りたければ論文を読んでください」という意見もありますが、彼らは論文を調べるスキルなど訓練されていませんから、やや無茶なものに聞こえてしまうようです。それは致し方ないことでしょう。良い学生が欲しければラボの方が頑張らないといけない、というのは良くも悪くも現実です。
ウェブサイトは元手がほとんどかからないわりに、うまくやれば大変効果的なアピールになりえます。だからこそうまく作って、ラボの存在感をあげる手段の一つにしたいものですね。本稿がその助けとなれば幸いです。