筆者が所属する企業では、制服=作業服を着て実験しています。
丈夫で耐熱性や防燃性があり、上下で数万円(!)はするらしいです。
筆者の作業服のタグを調べてみると、
・メタアラミド 65%
・パラアラミド 5%
・難燃レーヨン 30%
と書いてありました。
アラミド(aramid)というのは、芳香族(aromatic)のポリアミド(amide)のことです。
メタアラミドは、文字通りメタ-形にアミド結合が位置するモノマーから成ります(上図)。
例としては、m-フェニレンジアミンとイソフタル酸が縮合した構造のデュポン社のノーメックスR、帝人のコーネックスRなど。
アラミドの持つ、剛直な芳香環と丈夫なアミド結合、さらにはアミドのカルボニル酸素と水素同士の水素結合、ベンゼン環のΠスタッキングにより、強靱さや耐熱性を持つ繊維となります。ノーメックスRは宇宙服の素材としても使われているそうです。
また、パラアラミドには、p-フェニレンジアミンとテレフタル酸が縮合した構造のデュポン社のケブラーR(防弾チョッキの素材として有名)などがあります。
(この辺の内容は東京化成発行するTCIメール中「化学よもやま話」に詳しいです
http://www.tokyokasei.co.jp/tcimail/chemicals-clip/76uk5d00000014ba.html
http://www.tokyokasei.co.jp/tcimail/chemicals-clip/76uk5d0000000eh4.html)
難燃レーヨンとは難燃剤を練り込んでいるレーヨン素材のようです。
宇宙服と防弾チョッキと同じ素材ということで、数万円するというのも納得できるのですが、どうしてもだぼっとしているというか、デザインがちょっと…
長時間着る物だけにもう少し工夫してくれたらと感じるのは筆者だけではないと思いますが、脱ぎやすさも考えないといけないので安全第一といったところでしょうか。
最後に、作業服を着ない人も、実験する時は必ず白衣を着て、保護メガネをして実験しましょう。