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化学者のつぶやき

リンダウ会議に行ってきた④

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リンダウ・ノーベル賞受賞者会議(Lindau Nobel Laureate Meeting)の参加報告、第四回目です。 (前回の記事はこちら)
最終回でもある今回は、交流イベント・エクスカーションの模様についてお届けします。

 

交流会議だけあって、参加者同士の交流・語らいの場は沢山設けられている感じでした。講演のときに隣り合った人と会話したり、同年代の人達ばかりなのでなかなか普通の学会と違って気楽なものです。英語はしゃべれるに越したことは無い感じですね。

 

  • コーヒーブレイク

 

講演の合間のコーヒーブレイクは、ノーベル賞学者と接触する絶好のチャンス!・・・なのですが、写真やサインをねだる若者達でごったがえしており、休憩時間にゆっくり話すのは正直言って難しそうな感じでした。隣にいた人が”He is like a movie star.”とぼそっとつぶやいていましたが、まさにそんな扱い。そんな中でも積極的に向かっていく、一種の厚かましさというのはある意味で重要なのでしょう。その点ではインドや中国の学生を見習いたいものですね・・・。

 

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(学生に応えてサインをするエルトゥル教授)
  • 夕食パーティ

夕食のときは、ノーベル賞学者がテーブルごとに振り分けられ、参加者達が貴重な会話を楽しむことが出来るようにアレンジされていました。大々的なパーティも何回かありましたが、そのときにはヨーロッパらしく、参加者どうしの社交ダンスタイムなどもあったり。

 

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 また別の日には、特別イベントとして、ミニオーケストラのコンサートが開催されたりしてもいました。

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  • マイナウ島へのエクスカーション

最終日にはエクスカーションが催され、リンダウ近くにあるマイナウ島(Insel Mainau)という観光スポットを訪問しました。ボーデン湖を船で横断するように向かうのですが、参加者を運ぶために使われた客船が下の写真のごとく、かなりの豪華客船。500名以上収容するわけですから、勿論半端な大きさじゃぁダメなんでしょうが・・・。今後の人生でこんな船に乗る機会なんて、もう無いかも知れません(笑)。いやぁ良い経験でした。

 

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(左:客船外観、右:客船内部)

マイナウ島では二回目のパネルディスカッションが行われ、クロージングセレモニーが開催されました。しかしそれにはろくに参加せず、ずっと島内を散策していました。島内が一つの庭園のような感じで、なかなか綺麗なところで、歩いてるだけで楽しいとこでした。

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・・・といった感じで、リンダウ会議の全日程は終了しました。

ノーベル賞学者とのコミュニケーションもそうですが、この会議一番の収穫は、とても優秀な日本人の同年代研究者とたくさん話ができたことですね。現在海外在住の人も沢山おられたので、似たような境遇の方々の話を聞けて、良い刺激になりました。

参加報告はこれにて終了です。総合的に見て、とても有意義な会でした。長々とおつきあいくださった読者の皆さん、ありがとうございました。

 

P.S. ノーベル賞学者と若手化学者が交流できるような類似イベントは、実は最近になって、日本近郊でも開催されるようになってきています。代表的なものが、アジア・サイエンスキャンプHOPEミーティングと呼ばれる会です。地理的に遠いドイツよりも気軽に参加できそうですから、興味のある方は、上記リンクからたどれる公式ホームページを起点に日程など調べてみてはいかがでしょうか。きっとかけがえのない経験ができると思いますよ。

 

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cosine

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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