[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

ChemTile GameとSpectral Game

[スポンサーリンク]

spectrumgame.gif

?実験をして一息ついてデスクに座った時にあなたは何をしていますか?お菓子を食べる、文献を読む、パソコンを使って「日常」の情報を仕入れる、メールの処理などなど様々です。中にはYoutubeをみたり、なんとゲームをしているひともいるかもしれません。それで本人がよいならば私はとめません。ゲームをやるならばこちらのゲームを暇つぶしにやってみませんか?


 
 ChemTIle GameSpectral Gameはまさにそのまま化学に関する択一ゲームと、スペクトル当てゲームです。なんだ、面白くない!!という言葉が聞こえてきそうですが、そういわずぜひ覗いてみてください。これらはドレクセル大学で化学を教えているJean-Claude Bradley准教授が作成しました。実際に授業に使われていて彼の受け持つクラスchem241ではwikiで作成されたサイトから自分でシラバスだけでなく教科書や問題、講義の内容(動画)、テスト情報も仕入れることができ、教育にかなり力を入れている事が伺えます。

 さて、肝心のゲームですが、ChemTile Gameは化合物のキラリティや化合物命名法、RS表示法など有機化学の基礎の内容のクイズとなっており、ほぼ2択で正解の方をクリックするだけといった単純な内容になっています。参加はトップページから名前を入れるだけです。

 
chemtitlegame.png
 一方のSpectral Gameの方は、同様にトップページに名前を入れてplayボタンを押すと、JDX形式のスペクトルファイルをJavaスクリプトで読み込んだスペクトルがでてきます。下に2つ化合物がでてくるので、そのスペクトルに会う化合物を選びクリックするといった内容です。スペクトルはドラッグや右クリックで拡大、縮小、印刷などができます。スペクトルは1H, 13NMR, IR(2次元NMRも数は少ないが有)から選択する事ができます(下記のデモ動画参照)。両者とも非常に単純な構成でできあがっていますが、特にSpectral Gameは研究室に所属したばかりの学生や、学生の指導にはなかなか使える物ではないでしょうか。

spectralgame.png

?

 ちなみにこのSpectral Gameの方は日本でも一時期話題になったSecond Lifeというオンライン仮想3D世界で公開していた物を2Dにもってきたらしいです。仮想世界でも化学の先生なのですね(苦笑)。それはよいとして、もちろんいままでオフライン、オンライン問わず、多くの教育的なソフトやスクリプトは公開されています。昔から時々サイトを回ってチェックしていますが、化学に関する物に関しては元素や、簡単な化学クイズスクリプトの域をでずなかなか進展はないと言った状況です。特に日本においては皆無にほぼ近いと言わざるをえません。。なにか統一的な規格や場所があれば参入しやすく、本当に使える「ゲーム」となり得ると思いますが、なかなか難しいかもしれませんね。

  • 関連リンク

ChemTIle Game
Spectral Game
Organic Chemistry I CHEM 241 at Drexel University

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. アルデヒドからアルキンをつくる新手法
  2. 硫黄の化学状態を高分解能で捉える計測技術を確立-リチウム硫黄電池…
  3. Pixiv発!秀作化学イラスト集【Part 2】
  4. 化学の祭典!国際化学オリンピック ”53rd IChO 2021…
  5. 鍛冶屋はなぜ「鉄を熱いうちに」打つのか?
  6. 構造式の効果
  7. 第11回 慶應有機化学若手シンポジウム
  8. ACD/ChemSketch Freeware 12.0

注目情報

ピックアップ記事

  1. 長井長義の日記など寄贈 明治の薬学者、徳島大へ
  2. 博士号で世界へ GO!-ー日本化学会「化学と工業:論説」より
  3. 味の素、アミノ酸の最大工場がブラジルに完成
  4. ロタキサンを用いた機械的刺激に応答する効率的な分子放出
  5. 中谷宇吉郎 雪の科学館
  6. 第81回―「均一系高分子重合触媒と生分解性ポリマーの開発」奥田 純 教授
  7. 金属容器いろいろ
  8. MEDCHEM NEWS 31-4号「RNA制御モダリティ」
  9. 4-(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール : 4-(Dimethylamino)benzenethiol
  10. 有機合成化学協会誌2022年1月号:無保護ケチミン・高周期典型金属・フラビン触媒・機能性ペプチド・人工核酸・脂質様材料

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年7月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

人工光合成の方法で有機合成反応を実現

第653回のスポットライトリサーチは、名古屋大学 学際統合物質科学研究機構 野依特別研究室 (斎藤研…

乙卯研究所 2025年度下期 研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

次世代の二次元物質 遷移金属ダイカルコゲナイド

ムーアの法則の限界と二次元半導体現代の半導体デバイス産業では、作製時の低コスト化や動作速度向上、…

日本化学連合シンポジウム 「海」- 化学はどこに向かうのか –

日本化学連合では、継続性のあるシリーズ型のシンポジウムの開催を企画していくことに…

【スポットライトリサーチ】汎用金属粉を使ってアンモニアが合成できたはなし

Tshozoです。 今回はおなじみ、東京大学大学院 西林研究室からの研究成果紹介(第652回スポ…

第11回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー…

第12回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・…

新たな有用活性天然物はどのように見つけてくるのか~新規抗真菌剤mandimycinの発見~

こんにちは!熊葛です.天然物は複雑な構造と有用な活性を有することから多くの化学者を魅了し,創薬に貢献…

創薬懇話会2025 in 大津

日時2025年6月19日(木)~6月20日(金)宿泊型セミナー会場ホテル…

理研の研究者が考える未来のバイオ技術とは?

bergです。昨今、環境問題や資源問題の関心の高まりから人工酵素や微生物を利用した化学合成やバイオテ…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー