ChemTIle GameとSpectral Gameはまさにそのまま化学に関する択一ゲームと、スペクトル当てゲームです。なんだ、面白くない!!という言葉が聞こえてきそうですが、そういわずぜひ覗いてみてください。これらはドレクセル大学で化学を教えているJean-Claude Bradley准教授が作成しました。実際に授業に使われていて彼の受け持つクラスchem241ではwikiで作成されたサイトから自分でシラバスだけでなく教科書や問題、講義の内容(動画)、テスト情報も仕入れることができ、教育にかなり力を入れている事が伺えます。
さて、肝心のゲームですが、ChemTile Gameは化合物のキラリティや化合物命名法、RS表示法など有機化学の基礎の内容のクイズとなっており、ほぼ2択で正解の方をクリックするだけといった単純な内容になっています。参加はトップページから名前を入れるだけです。
一方のSpectral Gameの方は、同様にトップページに名前を入れてplayボタンを押すと、JDX形式のスペクトルファイルをJavaスクリプトで読み込んだスペクトルがでてきます。下に2つ化合物がでてくるので、そのスペクトルに会う化合物を選びクリックするといった内容です。スペクトルはドラッグや右クリックで拡大、縮小、印刷などができます。スペクトルは1H, 13NMR, IR(2次元NMRも数は少ないが有)から選択する事ができます(下記のデモ動画参照)。両者とも非常に単純な構成でできあがっていますが、特にSpectral Gameは研究室に所属したばかりの学生や、学生の指導にはなかなか使える物ではないでしょうか。
?
ちなみにこのSpectral Gameの方は日本でも一時期話題になったSecond Lifeというオンライン仮想3D世界で公開していた物を2Dにもってきたらしいです。仮想世界でも化学の先生なのですね(苦笑)。それはよいとして、もちろんいままでオフライン、オンライン問わず、多くの教育的なソフトやスクリプトは公開されています。昔から時々サイトを回ってチェックしていますが、化学に関する物に関しては元素や、簡単な化学クイズスクリプトの域をでずなかなか進展はないと言った状況です。特に日本においては皆無にほぼ近いと言わざるをえません。。なにか統一的な規格や場所があれば参入しやすく、本当に使える「ゲーム」となり得ると思いますが、なかなか難しいかもしれませんね。