開講期間
●令和4年 2月 14日(月)、17日(木):基礎編
● 21日(月)、24日(木):応用編
※計4日間、各編(2日間)ごとに選択可。
※オンラインと対面会場の併設講座です。会場でのご受講をご希望の場合は、講師と直にお話しする機会をお持ちいただけます。(諸状況によりオンライン開催のみとなる可能性がございます)
開催方法
オンライン開催について
全日程、ZOOMを利用したオンラインでご受講いただけます。受講要項をご確認の上、お申込みください。
≫PC、スマートフォン、タブレットでもご受講いただけます。
≫ご受講書類・テキストは、お申込みいただいたご住所宛に事前に郵送いたします。
※オンライン受講についてご不明点やご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
*対面(会議室)開催について
ご希望の場合は、直接講師とお会いできる対面(会議室)受講が可能です。
>>かながわサイエンスパーク内 講義室 (川崎市高津区坂戸3-2-1)
>> Map・アクセス詳細はこちら
◆ JR南武線「武蔵溝ノ口」・東急田園都市線「溝の口」下車
シャトルバス 5 分
◆ JR 新横浜駅より東急バス(有料)直行「溝の口駅」行き30 分
「高津中学校入口」下車徒歩3 分
>>東急バスのアクセスはこちら
※諸状況によりオンライン開催のみに変更となる可能性がございます。
募集人員
20名 (オンライン12名/対面8名)*先着順にて承ります
対象者
企業、研究機関にご所属で、
・ 新しい高分子材料の研究開発に携わる方。
・ 高分子材料を用いて高機能表面の創製を目指す方。
・ マイクロ・ナノスケールの計測デバイス等の開発・加工に携わる方。
・ 複合加工などにより、高分子材料の新しい産業領域への展開を目指す企業の方。
・ 新素材の開発、設計業務に携わる方。
・・・・・・など
受講料(消費税込み)
区 分 | 全日程 | 各編(2日単位)受講 |
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A 一般 | 45,000円 | 26,000円 |
B KISTEC パートナー団体会員 C 神奈川県内中小企業 |
36,000円 | |
D C以外の神奈川県内企業 E 神奈川県内在住の個人の方 |
40,500円 |
※ 神奈川県内中⼩企業とは・・・神奈川県内に事業所があり、資本金が3億円以下または企業全体の従業員数が300名以下の企業を指します。
カリキュラム編成者
九州大学大学院 工学研究院 応用化学部門 主幹教授 田中 敬二 氏
◎略歴:九州大学大学院工学研究科 博士後期課程 応用物質化学専攻 修了後、ウィスコンシン大学マジソン校 化学科 博士研究員、九州大学助手・助教授・准教授などを経て現在に至る。
同大学院統合新領域学府 副学府長、次世代接着技術研究センター センター長などを歴任する一方、JSTプログラムマネージャーとして大型プロジェクトを率いる。
研究テーマは、高分子物性、界面科学。高分子界面におけるナノレベルの構造と物性を物理化学的に解明し、分子設計・合成指針の確立、高機能材料創製や高度集積化デバイス構築へと展開している。
カリキュラム内容と日程
●基礎編●
時間 | 講義内容 | 講師 | |
2月14日(月) | |||
10:30-12:00 | 高分子とは ≪講師は会場にて講義予定≫ 高分子は低分子が繋がってできた巨大な分子であり、一本の「鎖」とみなすことができます。この分子の鎖は、さまざまな空間スケールの構造を形成し、それにともなって多様な物性を発現します。また、分子の鎖が絡み合うことで、低分子では観測されない特徴的な運動性を示します。ここでは、高分子の定義から、一本の鎖の形態、集団としての構造・物性の考え方について概観し、身の回りの高分子材料について議論します。 |
田中 敬二 氏 |
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13:00-14:30 | 高分子材料をめぐる開発課題と、アカデミアにおける最新の研究動向 ≪講師は会場にて講義予定≫ 高分子材料における研究テーマのトレンドを概観した後、表面・界面を中心に構造・物性の考え方について紹介します。また、接着分野への展開を見据えた、熱硬化系樹脂の構造・物性、さらには、その界面での挙動について具体例を提示しながら解説します。 |
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14:45-16:45 | 表面・界面の物理化学の基礎 ≪講師はオンラインで講義予定≫ 表面・界面はバルクとは異なった特性を示します。その特性は表面張力・界面張力などの物性値で議論されます。 本講義では表面・界面張力の定義、表面・界面張力の測定法、高分子固体の表面自由エネルギー、静的濡れ性と動的濡れ性、高分子の固体表面の濡れ性の制御法、界面活性、分子組織体のの形成機構などの表面・界面の物理化学の基礎について解説します。 |
高原 淳 氏 九州大学 ネガティブエミッションテクノロジー 研究センター 特任教授、博士(工学) |
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2月17日(木) | |||
13:00-14:30 | 表面・界面の実験手法 ≪講師はオンラインで講義予定≫ 高分子は低分子が繋がってできた巨大な分子であり、一本の「鎖」とみなすことができます。この分子の鎖は、さまざまな空間スケールの構造を形成し、それにともなって多様な物性を発現します。また、分子の鎖が絡み合うことで、低分子では観測されない特徴的な運動性を示します。ここでは、高分子の定義から、一本の鎖の形態、集団としての構造・物性の考え方について概観し、身の回りの高分子材料について議論します。 |
川口 大輔 氏 九州大学大学院 工学研究院 准教授、博士(工学) |
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14:45-16:15 | 分子動力学シミュレーションの概要と表面・界面への応用 ≪講師はオンラインで講義予定≫ 表面・界面はバルクとは異なった特性を示します。その特性は表面張力・界面張力などの物性値で議論されます。本講義では表面・界面張力の定義、表面・界面張力の測定法、高分子固体の表面自由エネルギー、静的濡れ性と動的濡れ性、高分子の固体表面の濡れ性の制御法、バイオミメティックスと濡れ性などについて解説します。 |
山本 智 氏 |
●応用編●
時間 | 講義内容 | 講師 |
2月21日(月) | ||
13:00-14:30 | 複合材料界面の力学物性 ≪講師は会場にて講義予定≫ 高分子複合材料の界面は、高分子同士あるいは高分子とフィラーの間の物理的・化学的な相互作用により、バルクとは異なる状態にあります。その界面で生じていること、特に力学物性を調べるためには厚みが数から数十ナノメートルのその部分に直接プローブを持ち込んで調べる方法が必要です。本講義では、原子間力顕微鏡を用いた各種手法によって、それを明らかにしていきます。 |
中嶋 健 氏 |
14:45-16:15 | ナノ空間と高分子 ≪講師は会場にて講義予定≫ 近年、有機配位子と金属イオンとの自己集合反応によって合成される金属―有機構造体(MOF)が注目を集めています。本講義では、この材料が有する規則性ナノ空間を重合反応場や高分子拘束場として利用することで、得られる高分子構造や物性を自在に制御できることを述べていきます。また、高分子中のわずかな構造の違いを認識して分離を可能にする技術についても詳細に述べていきます。 |
植村 卓史 氏 |
2月24日(木) | ||
13:00-14:30 | バイオ界面 ≪講師は会場にて講義予定≫ 生体に触れて用いられるマテリアルにとってその表面の化学組成、形状、特性はきわめて重要です。本講では、生体とマテリアルとの界面で起こるさまざまな現象について理解を深めるとともに、これらを制御するためのマテリアル表面の設計指針と解析手法について議論します。さらに、生体分子に倣って設計されたポリマーによるバイオ界面の構築について最近のトピックスを交えながら紹介します。 |
岩崎 泰彦 氏 |
14:45-16:15 | 表面・界面を生かしたコーティング、デバイスへの展開 ≪講師は会場にて講義予定≫ 電高分子の表面、界面の精密設計は、電池・電子デバイスにおける電荷貯蔵や電荷・イオン輸送を担う機能高分子の反応場の構築、また光学フィルムや防汚塗料など各種機能コーティングをナノ寸法で複合化する手法として期待されます。本講義では、応用例から高分子の表面、界面の精密設計について紹介します。 |
須賀 健雄 氏 |
16:20-17:05 | 総合質疑 ≪講師は会場にて講義予定≫ カリキュラム編成者による質疑応答。 |
田中 敬二 氏 |
※なお、諸状況により、オンライン開催のみとなる場合がございます。
カリキュラム編成者からのメッセージ
高分子は金属、セラミクスと並ぶ三大材料の一つとして、私たちの生活を支えています。高分子はモノマーを重合することで得られる“ひも状の”巨大な分子で、金属やセラミクスには見られない、興味深いさまざまな物性を示します。なかでも、比強度が強く、軽量、かつ、成型加工性に優れていることは工業的に大きな魅力となっています。
バルクと呼ばれる“巨視的な量”の高分子は、その物性や機能の理解が十分に進んでいます。一方で、昨今、さまざまな場面で材料を小さく、薄くすることが望まれています。このような材料では、従来の理解を超えた物性や機能が発現し、新たな課題が顕在化してきました。この大きな原因が、表面や界面の効果だと考えられています。
本コースでは、まず、高分子がどのような材料かを考え、表面や界面のエネルギー状態について学びます。その後、高分子材料における表面や界面の使い方へと進みます。高分子や高分子材料の理解を深めたい方はもちろん、表面や界面を生かした材料開発に従事する技術者・研究者の方にご参加頂くことを想定してプログラムを作成しました。
皆さまのご参加をお待ちしております。
田中 敬二 (九州大学大学院 工学研究院 応用化学部門 主幹教授)
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*本記事はKISTECが主催する教育講座の会告です。