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日時
2019年 5月16日(木)、17日(金)
全日程2日間 ※1日単位の選択受講も承ります。
定員
20名(先着順にて承ります。)
対象者
企業、研究機関にご所属で、新しい高分子材料の研究開発に携わる方。
高分子材料を用いて高機能表面の創製を目指す方。
マイクロ・ナノスケールの計測デバイス等の開発・加工に携わる方。
複合加工などにより、高分子材料の新しい産業領域への展開を目指す企業の方。
新素材の開発、設計業務に携わる方。
・・・メーカー・ユーザー いずれの方も承ります。
場所
かながわサイエンスパーク内 講義室 (川崎市高津区坂戸3-2-1)
◆ JR南武線「武蔵溝ノ口」・東急田園都市線「溝の口」下車
シャトルバス 5 分
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◆ JR 新横浜駅より東急バス(有料)直行「溝の口駅」行き30 分
「高津中学校入口」下車徒歩3 分
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カリキュラム編成者からのメッセージ
九州大学大学院 工学研究院 田中 敬二 氏
高分子は金属、セラミクスと並ぶ三大材料の一つとして、私たちの生活を支えています。高分子はモノマーを重合することで得られる“ひも状の”巨大な分子で、金属やセラミクスには見られない、興味深いさまざまな物性を示します。なかでも、比強度が強く、軽量、かつ、成型加工性に優れていることは工業的に大きな魅力となっています。
バルクと呼ばれる“巨視的な量”の高分子は、その物性や機能の理解が十分に進んでいます。一方で、昨今、さまざまな場面で材料を小さく、薄くすることが望まれています。このような材料では、従来の理解を超えた物性や機能が発現し、新たな課題が顕在化してきました。この大きな原因が、表面や界面の効果だと考えられています。
本コースでは、まず、高分子がどのような材料かを考え、表面や界面のエネルギー状態について学びます。その後、高分子材料における表面や界面の使い方へと進みます。高分子や高分子材料の理解を深めたい方はもちろん、表面や界面を生かした材料に従事する技術者・研究者の方にご参加頂くことを想定してプログラムを作成しました。皆さまのご参加をお待ちしております。
カリキュラム日程および講義内容
5月16日(木) | |
時間 | 講義内容 |
10:30-12:00 | 高分子とは 九州大学大学院 工学研究院 応用化学部門 教授 田中 敬二 氏 |
高分子は低分子が繋がってできた巨大な分子であり、一本の「鎖」とみなすことができます。この分子の鎖は、さまざまな空間スケールの構造を形成し、それにともなって多様な物性を発現します。また、分子の鎖が絡み合うことで、低分子では観測されない特徴的な運動性を示します。ここでは、高分子の定義から、一本の鎖の形態、集団としての構造・物性の考え方について概観し、身の回りの高分子材料について議論します。 | |
13:00-14:30 | 高分子と生体の界面設計-医療機器を例として 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 教授 芹澤 武 氏 |
人工臓器をはじめとする医療機器の素材として高分子が広く利用されています。生体と接触する状況下で高分子を利用する際には、タンパク質などの生体成分と高分子表面との相互作用や、引き続く生体反応を理解し、制御することが必要不可欠です。本講義では、さまざまな医療機器を例としてあげながら、高分子と生体の界面設計の重要性や方法論などについて解説します。 | |
14:40-16:10 | 接着・粘着の現象理解と設計 大阪工業大学 工学部 応用化学科 教授 藤井 秀司 氏 |
高分子表面あるいは界面における重要な現象の一つとして、物と物とを接合し一体化する接着・粘着が挙げられます。本講演では、接着・粘着技術の基礎となる濡れ現象、および接着・粘着の発現メカニズムについて、表面・界面の観点から解説します。さらに、近年注目を集めているハイブリッド材料を利用した粘着技術についても言及します。 | |
16:15-17:15
(装置見学を含む) |
局所的にみた高分子の相転移~走査型プローブ顕微鏡と熱分析による考察~ 株式会社日立ハイテクサイエンス 主任技師 岩佐 真行 氏 |
高分子材料の工業的応用において、要求性能は高度化、多機能化し、マイクロ、ナノメートルレベルの微細構造を制御する必要性が高まっています。評価のための分析機器も高分解能で高感度であることが求められます。本講演では走査型プローブ顕微鏡によって結晶形態を観察し、結晶形態がおよぼす相転移への影響を高感度熱分析で観測した事例などを紹介します。 |
16日(第1日)の講義終了後、講師・受講者の交流会を開催します(参加費無料)。
5月17日(金) | |
時間 | 講義内容 |
10:00-11:30 | 高分子材料の表面・界面の熱力学~表面自由エネルギーを中心に~ 関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 教授 宮田 隆志 氏 |
高分子材料の表面や界面は内部と異なった状態にあり、それらが材料の性能や機能を左右します。表面自由エネルギーや界面自由エネルギーは表面・界面に関する状態量であり、高分子材料の構造・物性・機能を決める重要な因子の一つです。本講義では、高分子材料の表面・界面の基礎として、表面自由エネルギー・界面自由エネルギーを中心とした熱力学について解説し、ぬれや接触角、それらを取り扱う上での注意点などにも触れる予定です。 | |
12:30-14:00 | 表面・界面における高分子鎖の凝集状態とダイナミクス 九州大学大学院 工学研究院 応用化学部門 教授 田中 敬二 氏 |
表面や界面に存在する高分子鎖は空気、また、異種の相と接触するため、内部と比較して異なった凝集状態を形成します。また、表面や界面では分子運動の緩和時間が短く、あるいは、長くなることも起こり得ます。このような熱力学的な要因と動力学的要因を使いこなすことで表面・界面の構造・物性、さらには、機能の設計が可能となります。高分子鎖のデザインという観点から、表面・界面の制御方法について議論します。 | |
14:10-15:40 | ブロック共重合体リソグラフィにおける表面界面構造制御に基づく材料開発 東京工業大学 物質理工学院 材料系 教授 早川 晃鏡 氏 |
次世代半導体微細加工技術の候補であるブロック共重合体のミクロ相分離構造と誘導自己組織化技術を利用する”ブロック共重合体リソグラフィー”について、基礎から最先端までを概説します。 ブロック共重合体のミクロ相分離構造を半導体用レジストとして用いるためには、材料の化学組成の設計に始まりミクロドメインの基板面に対する配向と配列の精密制御が鍵を握ります。本講義にて微細加工に優れた材料開発を基礎とし、薄膜におけるミクロドメインの形成過程から配向や配列制御、欠陥構造の形成について横断的な理解に努めます。 |
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15:50-17:20 | 成形加工ナノインプリント技術における高分子の表面・界面 東北大学 多元物質科学研究所 教授 中川 勝 氏 |
ナノインプリント技術は、成形加工と加工領域の両サイズの守備範囲が広い次世代ものづくり基幹技術として産業界に普及しつつあります。本講義では、ナノインプリント技術の歴史と現状を概説し、離型技術を中心に取扱い、高分子の表面・界面で起こる現象の理解を深めることを目的とします。 |
受講料
※神奈川県内中小企業とは・・・ 本社または事務所が神奈川県内にあり、資本金が3億円以下または企業全体の従業員数が300名以下の企業
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主催
地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)
後援・協賛
(公社)高分子学会 (公社)日本化学会 (公社)日本分析化学会 (一社)日本接着学会 (一社)繊維学会 (公社)応用物理学会
(公社)精密工学会 (公社)電気化学会 (一社)電気学会 (一社)情報処理学会 (一社)電子情報通信学会 (一社)バイオインダストリー協会
日本バイオマテリアル学会 (一社)日本繊維機械学会 川崎商工会議所 (株)ケイエスピー
お問い合わせ
人材育成部 教育研修課 教育研修グループ
TEL : 044-819-2033 FAX : 044-819-2097
E-mail:ed@newkast.or.jp
*本記事はKISTECが主催する教育講座の会告です。