和光純薬工業より今回紹介する試薬は、アルコールの保護基であるベンジル基を導入するのに汎用されるベンジル化新製品TriBOTです。
TriBOTは金沢大学の国嶋らが開発したトリアジン型のベンジル保護試薬です。
最も一般的なベンジル化反応はNaHとBnClを当量以上必要とし、強塩基性条件下で反応を行います。
それに対してTriBOTはTfOHを酸触媒として使用しているため、塩基性で不安定な官能基を有する化合物のベンジル保護が可能です。
またベンジルクロリドのような催涙性がなく空気中で安定なため取扱いが容易といった利点があります。
国嶋らは様々な基質において良好な収率でベンジル化反応を行っており、特徴としてアミンとアルコールが共存する基質に対してはTfOHを1.2当量添加することでO-選択的なベンジル保護が可能であることを報告しています。
<参考文献>
“A Novel Acid-Catalyzed O-Benzylating Reagent with the Smallest Unit of Imidate Structure”
Yamada, K., Fujita, H., Kunishima, M. Org. Lett. 2012, 14 , 5026. DOI: 10.1021/ol302222p
Formal trimerization of the smallest unit of benzyl imidate leads to 2,4,6-tris(benzyloxy)-1,3,5-triazine (TriBOT), which can be used as an acid-catalyzed O-benzylating reagent. The reaction of various functionalized alcohols with 0.4 equiv of TriBOT in the presence of trifluoromethanesulfonic acid afforded the benzyl ethers in good yields. TriBOT is an inexpensive stable crystalline solid with high atom economy.