(2-ブロモエチル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート(1)は,ビニルスルホニウムトリフラート(2)の前駆体であり,塩基による処理で容易に調製が可能です。高い求電子性を示す2は,様々な求核種1)との反応に用いることが可能であり,ホルムアミジン誘導体との反応ではイミダゾリニウムトリフラート塩が生成します2)。この反応の特徴として,かさ高い置換基を有する基質を用いた場合にも速やかに反応が進行し,高収率で目的物を与えることが挙げられます。その為,本反応はNHC配位子を合成する手法として非常に有用であるといえます。
S. P. Fritz, Synlett 2012, 23, 480.
E. M. McGarrigle, S. P. Fritz, L. Favereau, M. Yar, V. K. Aggarwal, Org. Lett. 2011, 13, 3060.