?ChiらはNHC (Bode触媒2) を用いるα,β-不飽和アルデヒドとカルコンの[4+2]環化反応によりラクトンの選択的合成を報告しています。NHCを用いる既知の方法では,α,β-不飽和アルデヒドとNHCの反応で生成するホモエノラート中間体とカルコンの環化反応が進行し五員環生成物を与えます。一方,本報告では酸共触媒として酢酸を加えることで,ホモエノラート中間体のプロトン化により求電子性が低いエノール中間体が生成し,このエノール中間体とカルコンの[4+2]環化反応によりラクトンを高エナンチオ選択的に得ています。
Z. Fu, H. Sun, S. Chen, B. Tiwari, G. Li, Y. R. Chi, Chem. Commun. 2013, 49, 261.