近年,安定なニトロキシラジカルであるTEMPOを触媒とした環境調和型の酸化反応が注目されています。ニトロキシラジカルである2-アザアダマンタン-N-オキシル(AZADO)を用いることで,より高効率なアルコール酸化反応が可能であることが岩渕らによって報告されています1,2)。AZADOはTEMPOより高い酸化能を示し,かさ高い第二級アルコールでも高収率で酸化反応が進行します。 岩渕らにより改良された2-ヒドロキシ-2-アザアダマンタン(AZADOL®)はAZADOよりも保存安定性の高い触媒です。酸化剤存在下,AZADOを経由する触媒反応機構であることから,AZADOと同じ活性を示します。また,AZADOL®を原料にしたオキソニウム塩による他の酸化反応についても研究されています3)。
1)M. Shibuya, Y. Sasano, M. Tomizawa, T. Hamada, M. Kozawa, N. Nagahama, Y. Iwabuchi, Synthesis 2011, 3418.
2)Y. Iwabuchi, M. Shibuya, M. Tomizawa, Y. Osada, PCT Int. Appl. WO 2009145323, 2009.
3)M. Hayashi, M. Shibuya, Y. Iwabuchi, Org. Lett. 2012, 14, 154.
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