谷口らは,フタロシアニン鉄(II) (10 mol%) による2-アリールヒドラジンカルボン酸エチル (10 mol%) の空気酸化を伴う,新しい触媒的光延反応を報告しています。本報告によれば,2-アリールヒドラジンカルボン酸エチルの酸化により生じるアゾ化合物がDEADの役割をしています。このアゾ化合物が光延反応を進行させることで,トリフェニルホスフィン存在下,アルコールとカルボン酸からエステルを得ています。この時に生じる2-アリールヒドラジンカルボン酸エチルは,in situな触媒的空気酸化によりアゾ化合物へ再酸化されます。
D. Hirose, T. Taniguchi, H. Ishibashi, Angew. Chem. Int. Ed. 2013, 52, 4613.