Williamsらは,ジルコノセン触媒を用いる第一級アミドとアミンのトランスアミド化反応により,対応するアミドを合成しています。従来の直接トランスアミド化は高温条件や多量の触媒を用いる必要がありましたが,本報告では5 mol%のジルコノセンジクロリド (Cp2ZrCl2) を触媒として用いることで,シクロヘキサン中30~100 ℃,5~24時間という温和な条件下で反応が進行しています。さらに,カルバミン酸エチルと一級アミンの反応では,対応する一置換尿素が得られています。トランスアミド化反応では,同位体標識化実験により,ジルコニウムアミドを経由する反応メカニズムを提示しています。
B. N. Atkinson, A. R. Chhatwal, H. V. Lomax, J. W. Walton, J. M. J. Williams, Chem. Commun. 2012, 48, 11626.