尾野村らは,銅触媒を用いた1,3-ジオールの不斉非対称化反応による光学活性オキサゾリン誘導体の合成を報告しています。それによれば,触媒量のCu(OTf)2および(R,R)-2,2′-イソプロピリデンビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)の存在下,2-(N-アシルアミノ)-1,3-プロパンジオールをp-トルエンスルホニルクロリドと反応させることにより,第四級不斉中心を持つ光学活性オキサゾリン誘導体が高収率,高エナンチオ選択的に得られます。この反応は温和な条件下,簡便な操作で行うことができ,幅広い基質に適用可能なため,生理活性物質合成などへの応用が期待されます。
Y. Tsuda, M. Kuriyama, O. Onomura, Chem. Eur. J. 2012, 18, 2481.