[スポンサーリンク]

archives

ヒストン脱アセチル化酵素8(HDAC8)選択的阻害剤

[スポンサーリンク]

H1340.gif

N-ヒドロキシ-3-[1-(フェニルチオ)メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]ベンズアミド (NCC-149)は鈴木,宮田らによって開発されたヒストン脱アセチル化酵素8(HDAC8)を選択的に阻害する化合物です。ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)は,アセチル化されたヒストンのリジン残基を触媒的に脱アセチル化し,がん抑制遺伝子をはじめ多くの遺伝子発現を制御します。中でもヒストン脱アセチル化酵素のアイソフォームの1つであるHDAC8は,T細胞性腫瘍や神経芽細胞腫の増殖に関与することが報告されています。NCC-149はHDAC8選択的阻害し腫瘍細胞増殖阻害活性を示すことから,エピジェネティクス研究のツールおよび抗がん剤としての応用が期待されています。

T. Suzuki, Y. Ota, Y. Kasuya, M. Mutsuga, Y. Kawamura, H. Tsumoto, H. Nakagawa, M. G. Finn, N. Miyata, Angew. Chem. Int. Ed. 2010, 49, 6817.
T. Suzuki, Y. Ota, M. Ri , M. Bando, A. Gotoh, Y. Itoh, H. Tsumoto, P. R. Tatum, T. Mizukami, H. Nakagawa, S. Iida, R. Ueda, K. Shirahige, N. Miyata, J. Med. Chem. 2012, 55, 9562.

TCI

TCI

投稿者の記事一覧

有機試薬メーカーです。

関連記事

  1. マテリアルズ・インフォマティクスに欠かせないデータ整理の進め方と…
  2. セリ科植物に含まれる生理活性成分
  3. マテリアルズ・インフォマティクスにおける回帰手法の基礎
  4. 「つける」と「はがす」の新技術|分子接合と表面制御 R3
  5. リケラボとコラボして特集記事を配信します
  6. シランカップリング剤の反応、効果と応用【終了】
  7. トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(III):Lanthanu…
  8. メチレン架橋[6]シクロパラフェニレン

注目情報

ピックアップ記事

  1. 特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来
  2. イナミドを縮合剤とする新規アミド形成法
  3. 【8/25 20:00- 開催!】オンラインイベント「研究者と描くAI社会の未来設計」
  4. ベンゼンの害、低濃度でも 血液細胞に損傷
  5. π⊥ back bonding; 逆供与でπ結合が強くなる?!
  6. 地位確認求め労働審判
  7. コニア エン反応 Conia–Ene Reaction
  8. 化学者に役立つWord辞書
  9. 【なんと簡単な!】 カーボンナノリングを用いた多孔性ナノシートのボトムアップ合成
  10. 化学者のためのエレクトロニクス入門⑤ ~ディスプレイ分野などで活躍する化学メーカー編~~

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2013年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー