鳶巣らは,ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロンを用いるアリールニトリルのロジウム(I)触媒によるホウ素化反応を報告しています。本報告によれば,ロジウム/キサントホス系触媒とDABCOの存在下では,置換基Rの種類に関係なく,炭素‐シアノ結合の開裂を経由してアリールボロン酸エステルが得られます。また,一般的な遷移金属触媒を用いた反応条件ではシアノ基は反応しないことを利用し,本法と他のホウ素化法を組み合わせる合成も行っています。本反応は,複雑なボロン酸誘導体の合成への新しい方法といえます。
M. Tobisu, H. Kinuta, Y. Kita, E. Remond, N. Chatani, J. Am. Chem. Soc. 2012, 134 , 115.