吉戒らは,位置選択性の制御が可能なスチレンのヒドロアリール化反応を報告しています。それによれば,コバルト触媒を用いたC-H結合の活性化によるスチレンのヒドロアリール化において,配位子として1,3-ジメシチルイミダゾリウムクロリド(IMes•HCl)を用いた場合は直鎖型,トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)を用いた場合は分岐型の生成物が選択的に得られます。この反応は安価なコバルト触媒を使用し,比較的温和な条件下で行えるなどの利点も有しています。
K. Gao, N. Yoshikai, J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 400.