チオール系自己組織化単分子膜による有機薄膜トランジスタの改良
北村らはC60のnチャネル有機薄膜トランジスタ(TFT)において,ドレインとソース電極の金表面に4-(ジメチルアミノ)ベンゼンチオールの自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer: SAM)を形成させることで,有機TFTの改良をしています。電極を修飾していない場合に比べて閾値電圧が下がることが報告されており,これは修飾により電子注入障壁が減少しているためと考えられています。また,修飾電極表面の仕事関数の減少も見られ,電流増幅遮断周波数の向上も報告されています。
M. Kitamura, Y. Kuzumoto, S. Aomori, M. Kamura, J. H. Na, Y. Arakawa, Appl. Phys. Lett. 2009, 94, 083310; M. Kitamura, Y. Arakawa, Jpn. J. Appl. Phys. 2011, 50, 01BC01.