酸素を用いた脱水素反応による環状エノンの合成
Stahlらは,酸素を用いた脱水素反応による環状エノンの合成法について報告しています。それによれば,酢酸溶媒中,触媒量のトリフルオロ酢酸パラジウム(II)とDMSOの存在下,環状ケトンを酸素と反応させることにより,位置選択的に脱水素反応が進行し,環状エノンが得られます。IBXなどの化学量論量必要な酸化剤を用いた方法に比べ,アトムエコノミーの観点からも有用です。環状エノンは天然物合成における重要な中間体であるため,今後の応用が期待されます。
T. Diao, S. S. Stahl, J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 14566.