MALDI-TOF-MSを用いた合成ポリマー分析
trans-2-[3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチル-2-プロペニリデン]マロノニトリル(DCTB)は,MALDI-TOF質量分析に用いられる非プロトン性マトリックスで,Luftmannらが初めてフラーレン誘導体の質量分析への利用を報告しています。その後、合成ポリマー質量分析においても有効なマトリックスであることが確認されています。例えば,GerbauxらはDCTBを用いることで,ポリチオフェンの平均分子量の測定において良好な結果を得ています。また,Brandtらはポリマー/マトリックス/カチオン化剤の調製混合比のモデル最適化を行っており,様々な合成ポリマーの分析への応用が期待されています。
L. Ulmer, J. Mattay, H. G. Torres-Garcia, H. Luftmann, Eur. J. Mass Spectrom. 2000, 6, 49; J. D. Winter, G. Deshayes, F. Boon, O. Coulembier, P. Dubois, P. Gerbaux, J. Mass Spectrom. 2011, 46, 237; H. Brandt, T. Ehmann, M. Otto, J. Am. Soc. Mass Spectrom. 2010, 21, 1870; H. Brandt, T. Ehmann, M. Otto, Anal. Chem. 2010, 82, 8169.