酸化グラファイト表面の有機修飾
Swagerらは有機化学修飾しにくい炭素材料・グラフェンに対する新たな機能化アプローチとして,ヒドロキシ基がグラファイト上に結合した酸化グラファイトの化学修飾法を報告しています。この方法では,酸化グラファイトにN,N-ジメチルアセトアミドジメチルアセタールを反応させ,ヒドロキシ基を1-(N,N-ジメチルアミノ)ビニルオキシ基とした後,クライゼン転位させることで炭素-炭素結合を生成させています。さらに塩基で加水分解してカルボキシル基にすることで,親水性を持たせることができます。この方法は,グラフェン表面への機能性付加方法として期待されています。
W. R. Collins, W. Lewandowski, E. Schmois, J. Walish, T. M. Swager, Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 8848