[スポンサーリンク]

archives

りん酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル2-(トリメチルアンモニオ)エチル : 2-(Methacryloyloxy)ethyl 2-(Trimethylammonio)ethyl Phosphate

[スポンサーリンク]

M2005.gif

りん脂質構造を有する生体適合性ポリマー

りん酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル2-(トリメチルアンモニオ)エチル(MPC)は陽イオンと陰イオンを同一分子内に持つ両イオン性メタクリル酸で,生体細胞膜のりん脂質部位に似たホスフォリルコリン構造を有しています。MPCは従来のリビングラジカル重合法によってポリマー化が可能です。金属やセラミック,ガラスなどの表面修飾に応用され、これらはホスフォリルコリン構造を有するため生体適合性・血液適合性が高い素材として注目されています。一例として,石原らはシランを含む表面添着開始剤を介して,シリコンウエハー表面にMPCを重合させ、修飾しています。その表面はMPCポリマーのブラシ構造になっており,高い親水性と抗タンパク質非特異吸着性があることが判明しています。すでに応用されている医療デバイスだけに限らず,バイオセンサーなどの他の分野への利用が期待されています。

K. Ishihara, Y. Inoue, Advances in Science and Technology 2010, 76, 1.

TCI

TCI

投稿者の記事一覧

有機試薬メーカーです。

関連記事

  1. マイクロ波を用いた合成プロセス技術と実用化への道【終了】
  2. 水素化ほう素ナトリウム : Sodium Borohydride…
  3. N,N,N’,N’-テトラメチルエチレン…
  4. 第4回鈴木章賞授賞式&第8回ICReDD国際シンポジウム開催のお…
  5. 4-ヨードフェノキシ酢酸:4-Iodophenoxyacetic…
  6. 産学それぞれの立場におけるマテリアルズ・インフォマティクス技術活…
  7. 1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物:1,2,3…
  8. 開発者が語る試薬の使い方セミナー 2022 主催:同仁化学研究所…

注目情報

ピックアップ記事

  1. TPAP(レイ・グリフィス)酸化 TPAP (Ley-Griffith)Oxidation
  2. 第176回―「物質表面における有機金属化学」Christophe Copéret教授
  3. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」④
  4. 第64回―「ホウ素を含むポルフィリン・コロール錯体の研究」Penny Brothers教授
  5. クノール キノリン合成 Knorr Quinoline Synthesis
  6. 真理を追求する –2017年度ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞–
  7. その反応を冠する者の名は
  8. 電子実験ノートSignals Notebookを紹介します ①
  9. IBM,high-k絶縁膜用ハフニウムの特性解析にスパコン「Blue Gene」を活用
  10. 美術品保存と高分子

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年12月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

注目情報

最新記事

ミケーレ・パリネロ Michele Parrinello

ミケーレ・パリネロ (Michele Parrinello 1945年9月7日 メッシーナ生まれ) …

侯召民教授の講演を聴講してみた

bergです。この度は2024年10月5日(土)に慶応義塾大学 矢上キャンパス(理工学部)にて開催さ…

【10月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催】 題目:有機金属化合物 オルガチックスを用いたゾルゲル法とプロセス制御ノウハウ(2)

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

日本プロセス化学会2024ウインターシンポジウム

有機合成化学を基盤に分析化学や化学工学なども好きな学生さん、プロセス化学を知る絶好の…

2024年ノーベル化学賞は、「タンパク質の計算による設計・構造予測」へ

2024年10月9日、スウェーデン王立科学アカデミーは、2024年のノーベル化学賞を発表しました。今…

デミス・ハサビス Demis Hassabis

デミス・ハサビス(Demis Hassabis 1976年7月27日 北ロンドン生まれ) はイギリス…

【書籍】化学における情報・AIの活用: 解析と合成を駆動する情報科学(CSJカレントレビュー: 50)

概要これまで化学は,解析と合成を両輪とし理論・実験を行き来しつつ発展し,さまざまな物質を提供…

有機合成化学協会誌2024年10月号:炭素-水素結合変換反応・脱芳香族的官能基化・ピクロトキサン型セスキテルペン・近赤外光反応制御・Benzimidazoline

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年10月号がオンライン公開されています。…

レジオネラ菌のはなし ~水回りにはご注意を~

Tshozoです。筆者が所属する組織の敷地に大きめの室外冷却器がありほぼ毎日かなりの音を立て…

Pdナノ粒子触媒による1,3-ジエン化合物の酸化的アミノ化反応の開発

第629回のスポットライトリサーチは、関西大学大学院 理工学研究科(触媒有機化学研究室)博士課程後期…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP