ベンゾフェノンを有する光クロスリンカー
4-ベンゾイル安息香酸N-スクシンイミジルは,N-スクシンイミジル部位と光反応性のベンゾフェノン部位を併せ持つクロスリンカーです。N-スクシンイミジル部位はアミノ基と反応結合し,ベンゾフェノン部位は光励起により近傍の基質と共有結合を形成します。
一例として,Lightowlersらはペプチド核酸(PNA)オリゴマーのN末端にN-スクシンイミジル部位を反応させ,次いでPNAとマッチしたDNAオリゴマーをハイブリダイズさせた後にUV照射することで,DNAオリゴマーをベンゾフェノン部位と結合させています。これ以外にもペプチドやタンパク質に結合させた後に,抗体などに光クロスリンクさせる事例も報告されており,バイオコンジュゲーションリンカーとして有用です。
G. F. Ross, P. M. Smith, A. McGregor, D. M. Turnbull, R. N. Lightowlers, Bioconjugate Chem. 2003, 14, 962.