[スポンサーリンク]

archives

バトフェナントロリン : Bathophenanthroline

[スポンサーリンク]

有機触媒を用いたC-H結合の活性化によるアリール化

林らは,有機触媒を用いたC-H結合の活性化によるアリール化について報告しています。それによれば,2当量のナトリウムtert-ブトキシドの存在下,触媒量のバトフェナントロリンを用いることにより,遷移金属を用いることなくベンゼン誘導体のアリール化が進行します。この方法はビアリール化合物の効率的合成法の一つとして注目されています。

 

tert-Butoxide-Mediated Arylation of Benzene with Aryl Halides in the Presence of a Catalytic 1,10-Phenanthroline Derivative”

E. Shirakawa, K. Itoh, T. Higashino, T. Hayashi, J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 15537. DOI: 10.1021/ja1080822

ja-2010-080822_0004

Sodium tert-butoxide mediates the coupling of aryl halides with benzene derivatives without the aid of transition metal catalysts but with a catalytic 1,10-phenanthroline derivative.

 

鉄触媒を用いたベンゼンの直接アリール化

Charetteらは鉄触媒による,ベンゼンやアレーンとよう化アリールの直接アリール化反応を報告しています。本反応では,よう化ピリジルやよう化ピラジルを用いてヘテロビアリール体も合成しています。触媒系はFe(OAc)2とバトフェナントロリン配位子から構成されます。反応機構の考察によると,本反応は鉄を触媒としたアリールリビングラジカル重合と同様の機構で進行します。本反応の進行にFe(OAc)2の純度は大きな影響を与えません。

“Iron-Catalyzed Direct Arylation through an Aryl Radical Transfer Pathway”

F. Vallee, J. J. Mousseau, A. B. Charette, J. Am. Chem. Soc. 2010132, 1514. DOI: 10.1021/ja910687u

ja-2009-10687u_0008

A general and efficient iron-catalyzed direct arylation of benzene and hetereoaryl derivatives using a cost-effective and environmentally benign catalyst is described. The reaction is performed under neat conditions and can proceed at room temperature.

TCI

TCI

投稿者の記事一覧

有機試薬メーカーです。

関連記事

  1. テトラキス(トリフェニルアセタート)ジロジウム(II):Tetr…
  2. 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド :…
  3. エクソソーム学術セミナー 主催:同仁化学研究所
  4. 【5月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催…
  5. 【マイクロ波化学(株) 石油化学/プラスチック業界向けウェビナー…
  6. マテリアルズ・インフォマティクスのためのSaaS miHubの活…
  7. KISTEC教育講座『中間水コンセプトによるバイオ・医療材料開発…
  8. 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとして利用される蛍光色…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 2016年1月の注目化学書籍
  2. ペーパーミル問題:科学界の真実とその影響
  3. 高分子材料におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用とは?
  4. 尿から薬?! ~意外な由来の医薬品~ あとがき
  5. 日本薬学会第125年会
  6. 創薬化学
  7. リッチー・サーポン Richmond Sarpong
  8. 100兆分の1秒を観察 夢の光・XFEL施設公開
  9. 付設展示会へ行こう!ーWiley編
  10. 免疫(第6版): からだを護る不思議なしくみ

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年9月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年12月号がオンライン公開されています。…

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP